017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ナゲツケサルとヤレユータンの民俗学

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 昔、アローラのナゲツケサル達は今よりももっと遠くに物を投げることができた。誰がより遠くにものを投げることがてきるか、いつも競っていたんだ。ただあんまり物を投げるせいで、島にあるものがどんどん減っていった。これは大変だとカプは遠くに投げる力を奪ってしまったんだ。
 で、その投げ過ぎたものが今どうなっているかっていうとね、それは夜になると見えるんだ。
 ほら、夜空に星が輝いてるだろ?
 あれはかつてナゲツケサル達が投げたきのみとか石とか貝殻なんだよ。

 これはアローラに伝わるナゲツケサルの昔話で、昔から投げるという行為に人々が着目してきたことを示している。

 また、人間に飼われているナゲツケサルは野球などの球技観戦を好むことでも知られる。ピッチャーの投げっぷり、外野手の遠投を見て興奮して喜ぶ。とある球団のスカウトは素質のある無名新人を掘り出す為、ナゲツケサルを連れて行くという。
「彼はナゲツケサルが見出しました。他の選手と明らかに反応が違いました」
 さる有名チームで大型新人の発掘に成功したスカウトは語っている。

 また、別球団はヤレユータンの采配を頼りにしている。トレードや移籍などで適切な人材を確保するためである。
「いつも監督の隣に座らせて、試合を見せていますよ。他球団の試合もよく見せます。そうするとチームにはどんな補強が必要か見抜いてくれるのです」
 球団の信頼は厚いようだ。

 そしてこれは余談だが、同人作家である筆者の友人は即売会での同人誌頒布数をヤレユータンの采配によって決めているらしい。
「頒布数を紙に書いて、選んで貰うんだけど、試しに10、50、100、300で選ばせたら、扇子で10を差しやがったのでキレそうになった」
 と、友人は語った。
 彼は意地から50冊用意したが、即売会後に40冊余ってまたキレそうになったそうだ。

 このようにヤレユータンは采配に優れたポケモンであり、アローラでは自然豊かなポニ島のしまキングは長い間ヤレユータンだったという伝説が残っているほどだ。元はしまキングのポケモンだったが、しまキングの死の際にそのポケモンたちを引き継いだのはヤレユータンだった。彼を下し、人間のしまキングに就任すべくナゲツケザルと挑んだとい人間の物語が伝えられている。
 また、アローラの森で平穏にポケモンゲットするためにはヤレユータンに手土産を持っていくと良いとも云う。美しい鳥ポケモンの羽を持っていくと、扇の材料として喜ばれるというのだ。特にピジョンの尾羽などは大きく色も美しい為、非常に喜ぶのでトレーナーは換羽の際は拾っておくと良いだろう。

 そしてヤレユータンナゲツケサル、彼らの同時活躍の例としては、こんなものがある。

 とあるアローラ社会人野球チームは長い間、低迷が続いていたが、ある選手が持っていたヤレユータンの采配に従ったところ、勝率が急上昇。ナゲツケサルのコーチもつけてついにリーグ優勝を果たし、胴上げにはヤレユータンナゲツケサルが空を舞ったという。

 また、アローラのある部族では婚姻の采配をヤレユータンに委ねている。その采配は非常に見事で、離婚率は一般的なアローラの社会の平均を下回るという。ただ、采配により稀にポケモンと結婚させられる。
 またある部族では年頃の若い男女を集め、ナゲツケサルの群れに囲わせ、様々な木の実をなげつけさせる。木の実は果汁の色が濃いものが選ばれ、同じ色に染まった男女が結ばれる。ただし、どうしてもいやなら相手に木の実をなげつけて拒否してもよいという。