ポケモン民俗学
バリコオル ガラルでは冬に音楽をもたらすポケモンとして知られている。冬は木から落ちる雪の音と吹雪以外は世界から音が消えてしまうけれど、凍った湖の上でバリコオルが躍ると、手拍子のような打楽器のような音が聞こえてくるのでそれとわかる。 ガラルに…
こちらを観察しているかのようなまなざしなので、山の神が、人間の行いを監視するために遣わしたのだと云われている。だから大人たちは子供達の悪さをネイティが見ていると言って戒めたし、山の中で必要以上のものをとらないようにしてきた。 農業に必須な水…
ケンタロス 小学生の間で「ケンタロスのしっぽはなぜ三本あるか? タマゴの中には三匹のケンタロスがいて、出られるのは共食いで兄弟を喰った一匹だけ。三匹分の力を持っているのでケンタロスは強い」という噂が流れ、オーキド博士がラジオで否定するという…
エイパムは尻尾がもう一本の手のように動くため、忙しい時にニャースの手も借りたいと同意義の言葉としてエイパムの手も借りたいという言葉がある。 将棋や囲碁における不意打ち的一手をエイパムの尻尾にやられた、と表現することもある。まさかそんな角度か…
冥婚、死後婚という言葉をご存じだろうか。 家の者が未婚のまま若くして亡くなると、その家族があの世の伴侶を用意する行為を言う。例えば道に赤い封筒を落としておき、それを拾った者を死者の伴侶とするようなものから、花嫁 人形を奉納する、結婚式の様子…
昔、ホウエンの漁民達は漁を休む口実としてサメハダーを利用した。旧暦某月某日はサメハダーの嫁入りである。その行列の上を通ると船底を齧られ船が沈む、といって休んだそうな。 尚、昔の貿易船においてはサメハダーに船底を齧られるよる沈没を防ぐため、ラ…
昔、アローラのナゲツケサル達は今よりももっと遠くに物を投げることができた。誰がより遠くにものを投げることがてきるか、いつも競っていたんだ。ただあんまり物を投げるせいで、島にあるものがどんどん減っていった。これは大変だとカプは遠くに投げる力…
ビリリダマ。 バクダンボールとも云われるこのポケモンが現れたのは現在の赤と白のデザインで知られるモンスターボールが大量に出回って以降であるという説がある。それはたとえば下記のような都市伝説としても語られる。 モンスターボールを長く使わないま…
●ウパー 「電気技が効かなくて焦った」「ピカチュウがやられてトラウマになった」 かつてトレーナーとして旅立ったお父さん達に「初見殺し」して語られることが多いのがウパーである。我が子の報告も楽しみにしているが、最近の子はスマホアプリで調べて対策…
戦国時代、合戦の後は死人の身ぐるみをはぐ絶好の稼ぎ場であったが「鬼が出る」と言って人々は戒めた。ある村の言い伝えによれば合戦後に身ぐるみをはぎにいった野盗が見たのはオニドリル達が自らの羽の一枚に加えるように刀を剥ぎ取る場面であった。 オニド…
時折ぱちぱちと爆ぜる焚火は青年が手に握るモモンを橙に照らしている。藍色の空にはとうに月が昇り、昼間は青く燃えていた山々は黒い輪郭が見えるのみであった。「うまいもんだねえ」 橙に燃える焚火の向こう側、煙が向かう方向で山男が言った。 煙男。焚火…
……いらっしゃい お客さん アローラは いま 23時くつろぎの ひとときを 提供する ポケモンセンター カフェスペースだよさてと お客さん どうしますか?グランブルマウンテンは 198円だね飲んでいくかい?わかりました しばし お待ちを……お待たせ グラン…
チルタリス夏に出来る巨大な積乱雲を昔の人はチルタリスの巣と呼んでいた。巨大な積乱雲が雨や雷を出しきると、最後に残るものがチルタリスである、と考えたのだ。そういう意味でチルタリスは雨を呼ぶポケモンでもあった。 ボスゴドラ製鉄技術が未発達な頃は…
自らの角に花を咲かせ葉を茂らせるメブキジカは走る樹木、茂る蹄などと呼ばれていた。 ある地域の特産物となっているきのみや果物、あるいは花の品種などはメブキジカが角にあったものを継ぎ木して増やしたのだという伝説がある。 同様の伝説は、メェークル…
昔、ある海辺の国で不漁が続いた。漁民達は飢え、死を覚悟したその時、水平線の向こうから謎の一団が現れた。それはヤドンの群れだった。ヤドンたちは尻尾を差し出すと、漁民たちに切り取らせ分け与えたので彼らは飢えから救われた。そんなわけで今も厚く信…
死んだポケモンの事が忘れられないなら、そのポケモンが入っていたモンスターボールをヘドロの海に投げ入れると良い。魂ごとボールを取り込んだヘドロがベトベトンになって会いに来る、という。 行う人は大変少ない。が、そうして今も彼女と一緒なのだと理科…
ジュカインの背中の実は植物を元気にする事はよく知られている。だから桜を育てて、美しく維持管理する櫻守(さくらもり)はよくジュカインを連れている。元気のない桜に実を与えて、花を沢山咲かせるためである。 ある古典には櫻森のもとに樹齢五百年の桜の…
人やポケモンに悪夢を見せるというダークライにはこんな都市伝説がある。 生前ホラー漫画家だった男が事故死した。即死だったのだろう、痛みがないのが幸いだったが、気がつくと黒い体になって悪夢を撒き散らすダークライになっていた。そんな彼の頭上に誰か…
Bの書く文章が好きだった。 アニメが放送されて、ハマった作品があった。それで二次創作漁りをして、Bの文章をたまたま読んだのだ。 だから私が二次創作を始めたのはだいたいBのせい。 それからはとても楽しかった。二次創作友達が増えて、推しカップリング…
キャモメは色合いが水兵の服によく似ている為、キャモメの水兵さんという童謡が作られた。 また昔から、海で死んだ人の魂はキャモメになって帰ってくるのだという言い伝えが各地にあり、キャモメに亡き人の面影を見る向きがある。 キャモメはもう会えない人…
ポケモンバトルで貰える賞金はバトル相手から貰えるだけにとどまらない。野良バトルの見物客が良いバトルだと思ったり、推しのポケモンのバトルだったりすると、これでご飯でも食べなさい、その愛らしいピジョンに何か買ってあげなさいとか言ってご飯一食分…
●乗り鉄にしてトレーナー あなたは「乗り鉄トレーナー」をご存知だろうか。 世の中には多くの鉄道ファンがいて、電車の撮影が好きな人を撮り鉄、電車に乗るのが好きな人を乗り鉄などと呼んでいる。両者は兼ねることもあるが、今回は主に後者について取り上げ…
その鳥は吉原に夜がやってくると行燈を灯しにやってくるのだった。異国から買われてきた珍しい炎の鳥は店一番の花魁が上客から貰ったという。あちきも、おまえさんも、この吉原の籠の鳥。店の遊女達は名も知らぬ異国の鳥に他人とは思えぬ縁を感じていた。 ヒ…
フローゼル昔、港町の漁師がツケで飲んでいたが、月末に想定外の金額を請求されて口論になった。毎日来てただろ!と言われて納得いかない漁師が酒場の近くで張っていると漁を手伝わせているフローゼルが酒場に入っていって、世話話をして飲み食いして出て行…
ひさびさの三連休であった。一日目はヤマトを呼んでいたので、けもケットとBOOTHに同人誌を送った。仕事が残っているので終わったら会社に出ようと思ったのだが、まったくその気が起きない。部屋のゴミを拾って、昼寝をした。そうしたら少し元気になってきた…
カチコール氷の中にある中身の正体はよくわかっていない。古老によれば冬に死んだ者が弔われずに彷徨うと最後には山に向かっていき、カチコールになるのだという。寒波で大量の死者を出した翌年、山からたくさんのカチコールが降りてきたのだと古老は語った…
ノコッチこれはさる古代遺跡で発見された天使の壁画で、緑色の小さなツノを持ち、腕は小さな羽のようで、腹はシマシマ、足は一本で浮く、というものである。ノコッチは天使である。神が零落してしまったので今はポケモンのフリをしているんだヨって月刊◯ーに…
マタドガス(ガラルのすがた)環境にやさしい?マタドガス。産業革命のえんとつと英国紳士のシルクハットをイメージしているんだろうなぁ。 ジグザグマ(ガラルのすがた)ジグザグマ(ガラルのすがた)がジグザグマの原種だって言説についてホウエンクラスタ…
マグカルゴ死火山で冷えて固まったマグカルゴが発見される事がままある。火を入れてごんごん燃やすと稀に復活する事があり、占いに用いられた。マグカルゴが復活するとその歳に生まれた子は病気なくよく育つという。復活しなくてもその火で餅などを焼き、参…
ゴチミル 星の輝く夜、寝ている子供を操って連れて行ったり、操って遊んだりすると信じられている。これを避けるためには枕元に身代わりの人形や、綺麗な石、アストロダイスなどを置くと良いという。綺麗な石やアストロダイスは星占いに使えるので喜ばれるら…