017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ベトベトンに意思宿る

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 死んだポケモンの事が忘れられないなら、そのポケモンが入っていたモンスターボールをヘドロの海に投げ入れると良い。魂ごとボールを取り込んだヘドロがベトベトンになって会いに来る、という。
 行う人は大変少ない。が、そうして今も彼女と一緒なのだと理科系の男が話してくれた事がある。
「元はなんのポケモンだったのか」と、よく人に聞かれるのだが「聞き忘れた」と答える事にしている。なんとなくそのほうがいい気がするからだ。
 また、類型の話として、学生達の間で一時期流行った赤いベトベトンという都市伝説がある。内容は以下のようなものだ。
 いじめを苦に自殺した××は、「必ず復讐してやる」という遺書を残し、下水道に身を投げてベトベトンに取り込まれた。ベトベトンは××の意思を吸収し、××の血で赤く染まり、復讐を始める……というものだ。ベトベトンは水道管の中を移動できる。だから街のどこへ逃げようとかならずお前の所に現れる。蛇口から異臭がしたら、もうすぐそこだ――といった話である。
 そしてこの「意思を取り込む」というエピソードは、古くからの民話にも見られるのである。
 「泥田坊」という妖怪がいる。名前の通り泥でできた田に現れる妖怪で、先祖代々の田んぼが荒れたり、他者に渡ったりすると現れ、「田を返せーっ!」などと叫ぶ。この泥田坊は田の土をメインに構成されたベトベトンである、という説があるのだ。

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泥田坊

 今も昔も、ベトベトンにはなんらかの魂や意思か宿ると考える人が多いという証左であろう。