017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

化石の秘密

 

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 最近それなりに長いトンネルを通った事があったのだが、そこで工事をしていた作業員さんがアーケンを繰り出してきた。鳥ポケモンの祖先と噂されるさいこどりポケモンだ。おそらくはトンネルの掘ってて見つけた化石を復活させたんだろうと思う。
 なんだかいいなぁと思ったので今回は化石の話でもしようと思う。

 調べてみたところによると、化石と最初のポケモンが結びついている町はいくつかあるようだ。化石が多く産出されるさる地方の町では、子ども達は九歳になると博士と化石を堀に行くという。十歳になったらそれを復活させて旅のパートナーとする為だ。子供たちは化石を傍らに置いて、パートナーとの出会いを楽しみに九歳を過ごすという。

 化石は町おこしのにも活用されており、化石が出る町には化石グッズがたくさん並ぶ。例えばオムナイトの化石は半分に切った時の小部屋(気室)の美しい螺旋構造から、小さめのものをアクセサリー、工芸品にする等も盛んに行われている。化石が有名な町の長も「オムナイトの気室には古代ロマンが詰まっている」とアピールしている。
 一方で近年、ポケモンの化石を利用した製品は残酷だなどの声も聞かれるようだ。皮肉な事にそういう声をあげるのは化石の復活経験を持つ地元の人間だったりもするので、町も一枚岩、というわけではないようである。

 ところでふと思ったのだが、「化石の復元」が可能なら、かわいがっていたポケモンが死んだ時、そのポケモンの骨から同じ個体を復活させようという発想する人がいそうではある。別個体にはなるだろうが、同じ遺伝子を持たせる事くらいはできそうだ。ただ、法的、倫理的な論争は避けられそうにない。実際にやっていたとして非合法、表に出てくる事はなさそうにも思われる。

 そんな事を考える人は当然ほかにもいるらしく、創作分野ではメジャーなテーマらしい。以下は年少トレーナー向けの雑誌に掲載された漫画の一部で、ポケモンセンターの待合室にも置かれているような雑誌に掲載されていたものである。

 あるイーブイは幸せに暮らしていたが、ある時彼の前に一匹のゴーストが現れる。
「お前は私だ。私は生前イーブイだったのだ」
 イーブイは聞かされる。自分は化石の復元技術を応用して、主人が前に飼っていたイーブイをもとに作られた存在だったと。
 イーブイが死ぬたびに主人は復活を繰り返す…家には行き場のない魂が増えていく……。

 また、ホラー作品や都市伝説の類として、次のような話もある。
 化石が産出する地域では「悪い子は魂を抜かれてしまう」というものだ。

 というのも単純に化石を復活させてもそれは肉体の復活に過ぎず、意思を持ち自律的に動くようにするためには人の魂が必要なのだ、という理屈である。
 旅立つトレーナーの分のポケモンを確保するため、博士は化石に入れていい魂を日々探している、それは地元の悪い子だったり、騙して招き入れた旅のトレーナーだったりする。研究所の地下室には悪い子やトレーナーが捕えられていて、化石復活のたびに捕えた人間の魂を抜き、復活させた肉体に注入してるのだ……という筋書きだ。
 化石に注入された魂ははじめの頃こそ反抗するが、そのうちに肉体の方に引きずられて、人間としての自我は消えていき、ポケモンとしてふるまうようになる。トレーナーは懐いたと無邪気に喜ぶ、というなんともホラーな内容である。

 おそらく最初は夜遅くまで起きているとヨマワルが迎えに来るぞ、といった類の話の変形だったのだろうが、厄介な噂を流される町の博士は大変だなぁと同情するばかりである。