サメハダーの民俗学
昔、ホウエンの漁民達は漁を休む口実としてサメハダーを利用した。旧暦某月某日はサメハダーの嫁入りである。その行列の上を通ると船底を齧られ船が沈む、といって休んだそうな。
尚、昔の貿易船においてはサメハダーに船底を齧られるよる沈没を防ぐため、ランターンの操り人達が高い金で雇われ船に同乗した。イッシュ地方では船底にマッギョを配置した記録が残されている。
またサメハダーは泳ぐ際に大変推進力があるから、スタートダッシュのことをホウエン地方ではサメハダダッシュと言ったりもするが、持久力はないので、これはサメハダ野郎というような悪口としても用いられている。スポーツ以外でもやる気が持続しないとサメハダ野郎である。
サメハダーは魚を半分に切った際の上半身のような形をしていることから、昔は下半身があったが、なくしてしまったのだという民話もある。神様との約束があったが勢いがあったのは最初だけで継続できず、罰として下半身を取り上げられてしまった、というのだ。
尚、サメハダーの研究者からは
「私、あの昔話きらいなんですよね。サメハダーはあの形だからいいんであって。あの形がいいからああいう形に進化したにきまってるじゃないですか」
と、マジな顔で言われてしまったので、サメハダーの名誉のために書き加えておく。