017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ウパーとヌオーの民俗学

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●ウパー

「電気技が効かなくて焦った」
ピカチュウがやられてトラウマになった」
 かつてトレーナーとして旅立ったお父さん達に「初見殺し」して語られることが多いのがウパーである。我が子の報告も楽しみにしているが、最近の子はスマホアプリで調べて対策しているのだった。
尚、ウソッキーも同じ部類に入るのだが、最近の子はやはりスマホアプリで……(以下略)
 尚、ウパーのことを昔の名前で「かわっぱ」「水童」「沼太郎」「沼稚児」などといい、神様に捧げられた子供がウパーになるのだという昔話も残されている。
 また、別の話ではこうある。ある子供が大木の下で雨宿りをしていたら雷が落ちて死んでしまった。子供はあの世で「おらぁ、遊び足りねぇ。雨が降っても遊んでいてぇ。雷ば落ちても死なねぇ身体になりてぇ」といったので、来世ではウパーになったのだという。
 夜の草むらはかわっぱの遊び場になるので、日が暮れる前に帰りなさいというような言い回しが一部地域に残っている。

 

●ヌオー 

 水底でじっとしている事が多く、たまに台風などで川が荒れると巨大個体現れて話題になることがある。そのような個体が、都会の公園や神社の池から見つかって騒ぎになったこともあり、奉っている神社の池から頭に苔を生やした主が顔を出した際は「ハンザキ大明神出現 十年ぶり」などと銘打って祭を催し供物を捧げるなどすることもあるという。

 昔話にも池や沼、淵の主として巨大ヌオーが語られる事例は多く、雨を降らせたり、化け物じみたものだと池ごと周囲にいる生き物を飲み込むなどしている。またカビゴンばりに道を塞いでいたとか、巨体と特性の貯水で川の水をせき止めてしまい農民が困ったというものがある。
 電気の攻撃が通らない水ポケモンとしてよく知られ、貯水の特性から同属性のポケモンにも強いため、攻撃が通りにくくタフな化け物である、という記述が多い。大昔の英雄はわざとヌオーに飲み込まれて、腹を割いて内から真っ二つしてやっと倒した、あるいは二つに分かれても生きており、東西に去っていったという記述があり、ハンザキ大明神という呼び名はこのあたりからきているようだ。

 その分類はぬまうおだが、地上二足歩行が可能なので擬人化して見られることも多かった。ある地域では橋を作るために人柱になった人間が川の神から穏やかな余生を与えられたのだと考えた。ある地域ではなまけものの末路だと考えられた。そこには悩みなく過ごしたいといった願望の反映もあったようだ。