017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

幸色のワンルーム 批評など

「幸色のワンルーム」がドラマ化という事で、いい意味でも、悪い意味でも話題になっている。自分もツイッターでこの話題を知り、色々思う所をツイートしたのでまとめておこうと思う。

私の「幸色のワンルーム」に対する思いは複雑なものがあり、
・批判的観点
・読んでみた上での感想、批評
・同じ貉の穴にいる創作者として思う事
の主に三つからまとめてみたいと思う。

 

■■批判的観点

これに関しては、下記の記事を読んでもらいたい。
おそらく現行四巻まできっちり読んだ上での批判的な論評である。
私がもやもや考えていることと少しリンクする部分もある。

「幸色のワンルーム」は許されるのか~誰が彼女を監禁しているのか?

rainbowflag.hatenablog.com

 

幸色のワンルームに対する自分のスタンスは、成立背景に批判されるような要素があり、それについて批判が出るのは仕方ないし、批判(批評)する自由がある。
しかし、批判するからには、上っ面の情報から批判するのではなく、作品を読んだ上で批判すべき。というもので、記事はそれをクリアしてる。
作品を読みもせず概要から、周りにつられていると思われる批判も多い中、作品を読んだうえで、意見を書いた少女ブレンダさんにはその観点から敬意を表したい。

実際私自身も、成立背景には多少批判的であり、

・明るみに出た誘拐事件
・被害者に対する二次加害の言説
(被害者は家出して男と同棲しており、いつでも逃げさせた、生活に飽きたので裏切り罪を被せた等、個人の憶測妄想の域を出ない発言がさも事実であるかのようにtwitter上に多数散見された)
・そういった状況の中で、大元となる漫画のラフが上がり、拡散する

これらには因果関係のある可能性が高く、批判の噴出やむなしと思う。

ただ、擁護をするならば、二次加害言説が被害者本人に向けられていたのに対し、漫画はあくまで被害者本人ではなく、架空の登場人物が設定されており、被害者≠漫画の女の子である点は、留意したい。
が、それにしてもタイミングが悪かったし、炎上商法、便乗商法が邪推されても仕方なかった。
が、断定表現は避けたいと思う。

 

■■読んでみた上での感想、批評


■おおまかなストーリー

1巻までは誘拐犯との幸せな?生活を描く。
2巻以降サスペンスになってくる(本格的なものに比べればファンタジー的なのは否めないが)。マスクのお兄さんのアウトロー性が描かれるエピソードもあり、僕が誘拐犯ですと狂言をして動画を上げている人物と、幸との関係が明らかになる。
3巻は変態と異常者の対決(ここはなかなか熱かった)で、新キャラの探偵が出る。
4巻は幸が異常者として覚醒、茶番であると確信した上、共同生活の継続を試みる。探偵が接近で終わり。

着想を得た経緯は兎も角、内容自体は誘拐を美化ではないと思う(1巻のみだとそう見えるかも)。2巻以降に本当は保護を選択すべき、というような文言も出てくる。というか、メイン登場人物が全員異常者なので、通常の倫理観で考えるべきでないのかもしれない。移ろうアウトローの話として読むべきかもしれない。


■批評、主にリアリティの観点から

例えばこれはファンタジーですよ、と示すために、冒頭に誘拐されて殺された女の子のニュースや事例を入れられれば、印象がかなり違ったと思う。実際はこうなっちゃいますよ、という事例。
それによって、「幸とお兄さんの例は極めて特殊である」という事が強調できたと思われる。それでも批判はあるだろうが、配慮やフィルターってそういうところなんだろうな…と思う。
友達の感想だと、お兄さんに初期から懐きすぎだという指摘もあった。

実際問題として、作者の方はどれくらい児童虐待について調べているのか?
当然物語は嘘な訳だが、ちょっと虐待児童の心理のようなものにちぐはぐな印象を受けた。(私も調べてはいないから印象だが)
またマスクのお兄さんについても同様である。虐待の描写が甘い。誘拐を喜ぶだけの説得力をもっと見せて欲しかった。

幸が攫われた初期段階で綺麗すぎる。もっと落差を出せなかったのか。
今あげた点をもし実写ドラマで深められるのなら、これは異常者の話として、少なくとも視聴者には誘拐を美化したものではない、と訴えられるだけの説得力を強く持つ可能性があると思う。(現行でも美化はしていないとは評価するが)

ただ、変態教師が児童に手を出す時、虐待されていて訴え出れない子を狙う、というのは実際にそうらしく、そのへんは結構リアルだったりする。

テーマがテーマだから青年誌並みのダーティさやリアリティが欲しかった。青年誌並みとはいかなくてもあと一歩踏み込んで欲しかったという気持ちがある。踏み込んだ上で、専門家による児童虐待の現状、家出少女の実態みたいの巻末についてたら、世間の悪い評価を蹴っとばせだ可能性もあるのでは。

古い時代には家から連れだされる事が救いだった時代もある。貧乏な寒村から遊郭に売られる女の子とか。今の基準からすればそれも不幸だけど、遊郭に行けば着物が着れて、踊りや歌を習えて村より美味しいご飯が食べられた。幸はその現代版とも言えるが、そこを作者がどの程度勉強してたか。

もちろんこれは私の好みであって喜んでいる読者層にそんなものは野暮なんだろう。だが、作者にはもっと勉強して欲しかったという気持ちがある。むしろふわふわした印象でここまで描けるんだから、取材を徹底したら、とんでもない傑作に化けた可能性がある。

あーこりゃ誘拐されたほうがマシだわって大人も納得して、中学生ももっと感情移入するだけの、そういうものをもっと入れこめる余地があったと思う。
今後も作品を出していくなら、もっと事前にリサーチして欲しい。世間の評価も変わってくるし、味方も増えると思う。そして描き切って欲しいとも思っている。


■作品の外側で対策する、という手もある

海外のドラマで自殺を美化してるって批判があって、相談できる機関の連絡先を掲載したというツイートを見かけた。

実際、単行本の巻末に「知らないお兄さんについてったらダメだよ。もし君が主人公のように困っていたら、この公共機関まで電話しなさい」というような情報があったら株爆上がりだと思う。

75万部出てる訳だし、リアルに救われる児童が出るのでは…。もしも児童が助けを求めてきた場合の連絡先はここだ、こういう機関があるのかっていう大人への啓蒙にもなる。

作者に自由に表現してもらって、読者を楽しませつつ、編集者や出版社がやるべきはここだったかもしれない。パッケージングで配慮するという手、あったように思う。

こういう事を考えていくのは、実現のするしないにかかわらず、今後、表現の発表はどうあると良いだろうみたいなののヒントになっていくのではないだろうか。

古典作品(70~90年代名作を含む)の文庫や歴史作品に解説がついてる場合があるが、ああいうのは現代作品にこそ必要なのかもしれない。

歴史マンガだと作品をより深く楽しむために歴史学の先生のコラムがくっついていたりする。もしも専門家による児童虐待の現状、家出少女の実態みたいの巻末についてたら、世間の悪い評価を蹴っとばせだ可能性もある。
(ファンタジーな世界観に浸るという意味では野暮かもしれないが…)

twitterで様々な意見を見て、表現(ストーリーや演出)の中でどうするかだけが答えではないとわかったのは大変勉強になった点だ。


■個人的に萌えた点

私立探偵の松葉瀬聖くんが可愛い。好みのタイプ。片目を隠してるのは目に傷があるからっぽい。この、俺が助けるんだ!ポジションってキュンとくるよね。
そういえばお兄さんもマスクをずっと外さないですけど、傷とかあるんだろうか…未だ名前も不明だし、この先どうなるんでしょうね?
幸がだんだんサイコパスっぽく?大胆になってきてるのは嫌いじゃない。


■勝手にラスト予想

・予想1
曽根崎心中ラスト。あるいはそうなる前にお兄さんが幸の死を回避しつつ自分だけ死ぬか、射殺される。幸は松葉瀬くんに保護されてなんとか生きる。
もはや作中では反故になってる感じはありますが、誘拐って時効あります? 継続中ならたぶん時効成立しないですよね。となると「逃げ切って結婚しよう」ってどう定義したら良いんだろうって問題がずっとあって。
そうなるとやっぱ曽根崎心中
いや、生きて! 二人だろうが一人だろう泥臭く生きて欲しい!

・予想2
お兄さんを失った幸は、松葉瀬の手をも振りほどく。そしてお兄さんと同じような法の外の誰でもない人間になる。ある時、虐待に遭っている少年に対し、一緒に行かないかと手を差し伸べる。あるいは自分と同じ道に行かないよう、しかるべき場所に保護を要請する。
そもそも誘拐お兄さんが、攫われた子供あるいは、身寄りがなくなって、アウトローと暮らすようになった人間っぽいので、連鎖してるフシがある。なのでループで終わるか断ち切るかは一つの見所だと思う。

・予想3
幸は一旦保護される。お兄さんはどっか逃げて、数年後に再開する。
もしハッピーエンドにするんならそのへんが順当と思う。

・予想4
単純に逃げ続けて二人の生活はこれからも続く。二人とも顔を変えてしまって、後に見つかったワンルームから二人が撮った写真が大量に貼られたのが発見されるけど、行方は杳として知れない…。

・予想5
やっぱりお兄さんは死ぬ。数年後、自立して暮らし始めた幸は住んでいるワンルームにお兄さんと撮った写真を貼る。

ラストによってもだいぶ評価の変わる作品なんじゃないかなと思うんで、どんなラストが選ばれるのか、そこは創作やっているものとして注目してる部分ではある。
結末を見た上で、世間がどう評価するのか、大変興味を持っている。


■楽しんでいる十代の子へ。野暮な警告

この物語は全体的に中二的ファンタジーだ。
異世界転生ものの亜種である。

そこに危うさがあり、いつ異世界から引き戻されてしまうのか、みたいなハラハラ感がある。「魔法使いの嫁」でもそうなのだが、クソみたいな現実を生きている子が、別の世界に生きたいという欲求に応えているなって思う。

ただ、現実に女の子を攫うヤローは魔法使いみたいに甲斐甲斐しく面倒見てくれないし、マスクのお兄さんみたいにイケメンで好きなご飯を作ってもくれないと思う。最初はそうでも飽きる。飽きるし、性的な見返りを要求したりすることもありうる。君が思い通りの人形にならないと悟り次第、下手すりゃバラバラにして、犯して殺すよーという事は嫌な大人として警告しておきたい。
(んなことはわかっとるわ! というあなたは素晴らしい。)

作者も言ってるように、創作の世界で楽しもう。
そして、そういう楽しさを味わう作品なんだと思うから、そこは楽しんで欲しい。

私は今あの物語を楽しんでいる十代から本を読ん取り上げるようなことはしたくないし、その権利もない。作者にもぜひどんな結末であれ、最後まで描き切ってほしい。
そして、現実の幸せは、誰かに与えてもらうのではなく、読者自身が足掻いて足掻いて、自身で泥臭く掴んで欲しいと思う。

 

■■同じ貉の穴にいる創作者として思う事

以下は、少女ブレンダさんの記事からの引用である。

私たちはある事件が起きた時、様々な想像を巡らし(中略)インスパイアされて何か作品めいたものをひとつ作ってしまうかもしれない。しかし、それは人として一体どこまで許される行為なのだろうか。

私はインスパイアされる人間なんでこれずっと考えてる。
というのも、実際世の中にある物語のだいたいって、この要素がふんだんにあるのである。
実際の事件の要素が入っているもの、そこから妄想が加速していくもの…
人形浄瑠璃の名作、曽根崎心中は実際の心中事件にインスパイアされて作られたものだった。FGOの英霊の多くは人を殺しまくった実在の人物だ。

正直、事件にインスパイアされて妄想することが、人として許されないのだとすれば、型月は獄門打ち首だし、創作者は全員首吊って死なないといけないと思う。
私は曽根崎心中にインスパイアされた作品を書き、同人誌発行している。これは許されざることか?罪悪感を負わなければならない事か?
基準は各々作っていくしかないだろう。

さて、ここで「幸色のワンルーム」への言及において
私に刺さった深志美由紀さんのツイートを紹介しておきたい。


「幸色のワンルーム」を潰したい問題、もうそういう日本になってしまったから仕方がないけど、読んでいる人だけならまだしも、少しでも作品を作る人がその流れに違和感や恐怖を覚えないならもうモノを作ることをやめた方がいいよ

この話題あまりハッキリ触れたくないけど、本当に楽観視できない。理由がどんなに耳触りよく正当に聞こえようと、「自分の曖昧な感覚で不愉快に感じるものは潰す」以外のなにものでもないからね。もう、そういう時代になってしまったから反抗しても仕方ないと諦めるしかないのか。

潰そうとしてないとかドラマだから悪いんだとかそういう表向きの言い訳はいらない。既に作品そのものの存在を許さないという活動になってることに気付いてないはずがない。その一端を担っている表現者がいるなら私は軽蔑するよ。

ちなみに、読者や、モノづくりをしていない人が作品を嫌いだと思うこと、文句を言うこと自体は別に正当な権利だと思うし、止めません。それで作品そのものの存在を消したいと思うことはできたら少し考えて欲しいけども、批判自体をするなってことじゃないのよ。不愉快に思うのが間違いでもないのよ。

ただ、いやしくも表現に関わろうという人がこれは気に食わんから一緒になって潰れてもいいや、と思ってるとしたら本当にそれは悲しいことだ。正義に、正当に聞こえる理由は何にでもつけられるし、もしもあなたたちが同じ状況に置かれた時、私は絶対あなたの表現を守る。あなたが諦めても守る。そんだけ

だから幸色のワンルームの作者のはくりさん、頑張ってくださいと思うし、沢山の人の気持ちを動かす作品を作った自分を誇って頂きたい。表現を守るとか偉そうなこと言っても私にできることなんてなくて、仲間が減る、叩かれる覚悟でこうやって呟くくらいしかないんだけどさ......

批判をやめろとは言わないし、不愉快に思う心が間違いでもない。ただ、考えて欲しい。ここから続く世界がどうなるか。本当にそれでいいのか。本当にそれでいいのか。本当にそれでいいのか?本当に、それでいいんですか?


タイムラインで幸色のワンルームが話題になると、私はいつもこの一連のツイートが頭をよぎる。
私は上がってる批判に一定の理解を示す立場ではあるが、実在の事柄にインスパイアされるなんて創作のあるあるで、程度の違いはあれど自身もやっていることなのだ。そういった批判がいつ自分に向けられるか、創作のやってる身としては明日は我が身であるとも思っている。

そして、もし、自分が最近話題になっている事件を知り、その上で「極めて特殊な状況下でのみ成立するストーリーを思いつき、それを形にしてみたいと思い、実際に作った」としたら、公開タイミングや場所、あるいはストーリー展開に気をつけようと思う。(人によっては公開しない、を選ぶだろう)

思うが、その時、ちゃんとブレーキかかるだろうか。
あるいはある種の適切な形に落とし込めるだろうか。
正直、自信はない。

だから創作者が徹底批判記事を書いたり、ツイートしてるのを見るとハラハラする。批判点に関して、作家としての私自身は気をつけようレベルまでしか自分に約束ができないな、と思う。創作者が過度にこの作品を批判する時、自分自身に呪いをかけることになりはしないか、と。

あえていうのなら、そういった基準を作者それぞれが作り出す為に優れた批評は参考になる、ということだ。
ただ気をつけなければいけないのは、自分なりの誇りをもった基準を他の創作者が適用していない時、これをむやみにコントロールしようとすれば必ず軋轢を生むという事だ。

そして創作者が、幸色のワンルーム的な手法を批判する時、自分の創作基準を考えざるおえない。その批判、自分の首を絞めないか?と。

成立背景に思う所はある。
が、同時に作者と私は似たような所に住んでる、似た性質の人間だろうとも思う。もし創作者が自身と件の作者との同類性を考えずに批判を展開しているのだとしたら、お前鏡見ろよ、と思ってしまう。

もちろん、創作者でない者が、被害者がいるのに膨らまして妄想したような作品は加害的で許されない、ワンルーム曽根崎心中源氏物語もダメだ!は一つの筋の通し方ではある。(私はそこに与しないが)

そして言うまでもなく誘拐は犯罪である。ブレンダさんの批評にあるように「被害者を妄想の中への閉じ込めてしまう」というような事を発生させうるという事を含めて誘拐は罪なのだと思う。

実在の事件をモチーフとした(あるいは着想を得た)作品を作ってよいか、公開していいか、どうするかは各々決めるしかなく、そういうの事について考えることは創作の質を高めうると思う。
けど、自分なりに考えて作った基準は自分の為の自分専用であり、他者がそれを適用していないのはむしろ当たり前との自覚は必要であろう。

オーロットの民俗学

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「もりののろい」

オーロットは倒しても暫くして復活してくる。というのも魂がそこにはなく、森の奥にある大樹に魂移ししているからだ。その大樹を伐らない限り無限に沸いて出るのだ。
ある少年はオーロットと旅をしていたがある日オーロットが言う。
「ぼっちゃん、残念ですが今日でお別れでございます」
そう言ってオーロットは枯れて消えてしまう。
しばらくして里帰りした少年は故郷の森が伐採されたと知るのだった。
少年は嘆き悲しんだ。
幼い頃に遊んだ森を返してください。もう一度友達に会わせてください。すると祈願百日目の満月の夜に夢に青い色の大きなメブキジカのようなポケモンが現れ言ったのだった。
「少年よ。あなたが森の一部になるというなら、その願いを叶えてあげましょう」
伐採された森は牧場になっていた。モーモーミルクや肉をとる為にミルタンクケンタロスがたくさん連れてこられた。ところが連れてこられたポケモン達に次々異常が起こった。体表に苔のようなものが生える。植物の芽が噴き出る。同じ事は人にも起こった。
ポケモン達と人々はばたばた倒れていった。その亡骸を養分に急速に樹が育った。今ではそこは迷いの森と言われているそうだ。
オーロットが「もりののろい」という技を使い始めたのはこの時からだという。


「迷いの森のウソッキーの話」

迷いの森では、オーロットの群れに遭遇しえらい目にあったという話がしばしば聞かれるが、その群れに混じってウソッキーを見かけた、という話は微笑ましい話として、また生物の生存戦略的にも違うタイプを群れに抱えるのはメリットがあるなどの生物学的な話としても語られる。
またホラー面の語りとしては、あれはオーロットの呪いで森から出られなくなった人間の成れの果てであるというものもある。
迷いの森で悪さをした人間はオーロットの「もりののろい」で木にされてしまう。けれど、たまに効きの悪い人間がいて、そういう木にすらなれない半端者は木のまがいものになる運命という事らしい。
コミカルな語り口のマンガでは以下のような描写がある。

ウソッキー「おばけだぞ~」
オーロット1「お前、おばけチガウ」
オーロット2「こいつ自分の事オーロットだと思ってるんだよ……」

……人間社会への未練を捨て去る事さえできれば、結構楽しそうではある。


「御神木の話」

近所の神社の御神木に雷が落ちた。町の自慢だった御神木が燃えてしまって皆残念がったけど、僕は知っている。御神木はオーロットになって昼間は裏の鎮守の森でウロウロしてるし、夜は町を散歩したりしている。今の姿になって歩けるようになった御神木は少し嬉しそうですらあるのだった。


「桜守の話」

田舎の山奥の話。
今はもう使われていない廃線のトンネルの向こうに様々な桜が植えてある試験場があった。持ち主は今はもう亡き人で、いつの間にか住み着いたオーロットチェリムが桜の世話していた。その場所はどこかの樹に必ず花が咲いており、一年中花を見る事が出来るという。
そこにある日、少年が迷い込んだ。彼は花を楽しみ、ポケモン達としばし憩いの時間を過ごしたのだが、彼らとの約束でその場所は秘密にしていた。しかし、何らかの手違いでその存在が大人たちにばれてしまう。だが、大人たちが行く頃には大量の土砂でトンネルは塞がれてしまっていて、行く事はできなかったそうだ。
後に大人になった少年は急斜面の山を登り、トンネルとは別ルートから試験場を目指すが、とうとうその場所にたどり着く事は出来なかった。きっとトンネルを通らないとたどり着けない、そういう場所だったのだろう、年老いた少年は孫に語った。

 

ドダイトスの民俗学

 

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なんかドダイトスネタめちゃくちゃ溜まりすぎて、ドダイトス民俗学、みたいな本が出せそうなのでめとめてみた。ドダイトスのポテンシャルすごい。

ドダイトスの歌

ドダイトスのきのしたで
あなたとわたし
なかよくあそびましょ
ドダイトスのきのしたで

色んなドダイトス

ドダイトスの樹だって、みんな同じ形のわけがない。下手したら桜、ケヤキ、杉、松、オレン、モモン…みたいな感じでいろいろいるんじゃね。後から埋まって勝手に眼が出たとかもありそう。

俺、ドダイトス。北国育ち。生えてるのはモミの木。なのでクリスマスには何が起こるか察してくれ。
俺、ドダイトス。生えてるのはヤシの木。なんか顔が三つあるポケモンがよく寄ってくるけど、一緒にしないでほしい。
ドダイトス。春には即席の花見会場になる。何が生えているかは察してくれ。

さる砂漠の地方にはオアシスを背負ったドダイトスの噂がまことしやかに囁かれているんですよ。砂嵐の向こうに巨大な姿。蜃気楼か、死ぬ間際のまぼろしか。

ドダイトスポケモン部分より、一般に背中の木のほうが長生きで、木のないドダイトスはもう長く生きられないなどと言われているが、木がなくても元気なドダイトスを見た、という噂はシンオウ各地にあり、背中は一面の赤い花畑で見知らぬポケモンが戯れていたとか、竹林だったとか様々だ。

自分だけ生えてる木が違うドダイトスはみんなの笑いものだったけど、お殿様に喜んで貰えたよ! みたいなのはどうですかね。

俺のドダイトス、スターの実がなるんだぜー へへーいいだろー!

ドダイトス型の鉢植え

盆栽愛好家が一度は通る道。
ドダイトス型の鉢植えはシンオウ地方の花屋さんでよく見かけ、観光客用に土産店でも売っている。

神社を背負っているドダイトス

背中に神社を勧進したドダイトス。トレーナーは巫女さんで、神社は故郷の神社の分社なのである。賞金をゲットすると分社の賽銭箱に入れるぞ!チャリーン。
他の手持ちはロコン、ニャースジグザグマだがなんか守銭奴ぽいのはきのせいか。

コトブキシティには鳥居と稲荷神社と賽銭箱を背負ったドダイトスが現れ、市中を歩き回り、勧進をして回ってたという記録が残っている。用心棒としてルカリオが背中に乗っており、賽銭を盗もうとする輩は懲らしめたという。

墓場としてのドダイトス

かつて旅した仲間が皆ドダイトスの木の下に眠っている。
シンオウ地方は広いのでドダイトストレーナーはドダイトス一匹が眠れる土地を買ってみんなで入るのだ。
やけに尖った岩と凸凹の多い森に迷い混んだなら、そこはドダイトス墓所だ。君が歩いてきたのはドダイトスの背中の上だ。

シンオウのどこかには、ドダイトスの森があるという。その森は地面がでこぼこで、岩が多い。でこぼこの一つ一つが元ドダイトスなのだ。ポケモンたちを育む豊かな森であるらしい。ポケモントレーナーは所縁のあるドダイトスの墓参りの時のみ、そこに入ることができるという。

そんな話がシンオウ地方にはまことしやかに伝えられていて、畑の向こうの小山は昔は大きなドダイトスだったのよ、とか、あの稲荷山はドダイトスだったのよ。昔は社を背負って歩いていたの。なんて話が各地にある。死んだら相棒のドダイトスの中に埋葬して欲しいというトレーナーは多い。

ねえ、ダイビンクを教えて。
少年は言いました。ダムの底に行きたいのだと。
だってあそこにはおじいさんのお墓があるの。ドダイトスの甲羅の中で眠っているんだ。ここがダムに沈む時、移そうとしたけれど、ドダイトスと引き離すのは可哀想だから、そのままにしてあるの。

元々がドダイトス

シンオウ人、ドダイトスが好きすぎるので、あの裏山は元々ドダイトスだとか、あの丘はドダイトスだったとか、あの小さな島はやっぱりドダイトスだったとかいう話があちこちにあるんだけど中にはガチでドダイトスなのがあるのがシンオウ地方である。
「うちの神社のご神木、ドダイトスの木なんですよ」

あるシンオウの町には小さな丘に社が立っている。この丘は元々ドダイトスだった。昔、冷害で作物がとれなかった時、ドダイトスが背中の樹にたくさんの実をつけた。来る日も来る日も実をつけて、人々は生き延びる事ができたが、やがてドダイトスは死んでしまった。人々は祠を立ててそれを祀った。
ドダイトスの社には毎日果物が供えられるという。

畑としてのドダイトス

ドダイトスの背中を耕して木の実作ってるトレーナーはいそう。ポケモン木の実プランター

ドダイトスのきのしたで
オレンとモモン
キーのみうえましょう
ドダイトスのきのしたで

ドダイトスの樹の下で大根を栽培、収穫して枝に吊るし沢庵を作るトレーナー。
さつまいもを栽培、樹の下で芋を焼いてめっちゃ怒られるトレーナー。
ぼんぐりを植えてガンテツのところに通うトレーナー。

ドダイトス専用コンテスト

全国ドダイトス箱庭コンテスト。ドダイトスの背中の上の森をいかに美しく育てるかのコンテスト。引退後のトレーナーの楽しみとして、シンオウでは人気が高い。
「この岩の苔むし具合!」
「ほう、木の上にムクバードの巣が」
ビッパの巣穴とはポイントが高いですな」
「湧き水とは珍しい!」

「この木にはホーホーが住むうろがありますぞ」
「こちらにはパチリスの住む穴」
「見てください、この木にびっしりついた宿り木の美しい事!」
「実はこの草むらは一帯はナゾノクサでして」
ウツボットが住み着いて食われかけました。審査員の皆さんもご用心くださ…アーッ言ってる側から!」

甲羅の面積に応じて○平方メートル級があり、春、夏、秋、冬それぞれ開催されるのだ。

私のドダイトスの背中では春にはタケノコ、夏にはトウキビ、秋にはマツタケ、冬にはリンゴが収穫できます。

うちのドダイトスはすごいですぞ。樹液が自慢でクワガタ、カブトムシ集まり放題、もちろんへラクロスカイロスも。この前なんかピンクのバタフリーが!

子供を授ける場所としてのドダイトス

シンオウ地方の母が子に語る冗談の一種には、お前はドダイトスの木の下に捨てられていたんだよっていうのがあり、実際にドダイトスの木の下にいた赤ん坊を育てたら、英雄になったという昔話もあります。
子供が欲しくて神に祈った所、ドダイトスの木のうろを見に行くようにお告げがあったという話も。

またペリッパーは神様の国から、子供を運んでくると言われていますが、運んだ子供の入ったゆりかごをドダイトスの枝にひっかけておくとも伝えられています。

文学としてのドダイトス

ドダイトスの木の枝につけたブランコ。あるいはタイヤ、ハンモック。木の上の秘密基地。これはシンオウにおけるノスタルジックシンボルといえます。

これは私のおばあちゃん(おじいちゃん)がドダイトスの木の下でしてくれたお話です。みたいな語り始めはシンオウ地方では定番。

シンオウの有名な文学作品にドダイトスの木の下で教室を開いた男の話があります。
「僕の事はナエトル先生と呼んでください」
木の枝にかけた黒板に先生が板書をします。
学校に行けない開拓民の子のためにナエトル先生は奮闘します。青春あり、死別あり、そのうち先生が逃亡犯であるという噂が立ち…。

タイトルは「ナエトル先生」
これは私のひいおじいさんが話してくれたことです。ナエトル先生はあるとき、大きなドダイトスに乗ってやってきたそうです。その日はとても天気のいい日で、ひいおじいさんの家のじゃがいもの畑を大きなドダイトスの影が横切ったと聞いています。

学校や家じゃあ、居場所なんてなくて、ドダイトスの背中だけが拠り所だったみたいなので始まる文学絶対あるし、背中の探索をしていると墓石見つけてぎょっとしたりします。そのうちに木の上から下を見ると、背中の上で過去にあった事が見えるのに気がついて、あの墓がトレーナーのものであると気づく。

聖域としてのドダイトス

大きなドダイトスの背中は一種の聖域たりうるものだ。神の降りる場であり、舞や能を奉納する場でもあった。ドダイトスの背中にある種のきのみを植え、無事に実がなれば願いが成就するとの話もある。成就する願いはきのみの種類によって違うという。

神社の鎮守の森と同じような感じで、ドダイトスの背中に逃げ込んだポケモンは捕まえてはいけない、再び背中から出るのを待て、みたいな紳士協定が一部地域に存在する。子育て中のポケモンがいるからというのもあるが、ポケモン密度が高いため、返り討ちに遭う可能性を示唆しているという説もある。

ドダイトスまとめ

今まで語ってきたようなドダイトスのお話も、ドダイトスの木の下でおばあちゃんがしてくれたりするのがシンオウ地方
おばあちゃんはね、ドダイトスの木の下に捨てられてた所を拾われたんだって。そして最後は同じドダイトスの木の下で眠るように亡くなった。お墓もドダイトスの背中にある。

ロコンさんとじぐざぐさんのお話

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コックリさんって低級動物霊とか言われてますけど、ポケモン世界でコックリさんやって、ロコンとかジグザグマとかピカチュウの霊が出てきたらかわいいから、積極的にやってしまうし、文字盤の十円玉は きのみ きのみ って動くと思う。

「ロコンさん、ロコンさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」

「ロコンさん、ロコンさん、きのみは何が好きですか」
も、も、ん
「…かわいい」

より占い精度の高いキュウコン様もいるけど、くだらない質問すると呪われるから注意しようね。いい感じの油揚げとか高級なきのみ置いてやるといいってよ。
キュウコン様、キュウコン様、おいでになりましたら「はい」の方向へお進みください。デパ地下で買ってきた高級油揚げもございます」

失せ物探しにはジグザグマ霊を呼び出そう。
「じぐざぐさん、じぐざぐさん、おいでになりましたら「はい」の方向へお進みください」
って呼びかけて、十円玉がじぐざぐに動き「はい」の方向に行けば、じぐざぐさんだぞ! なかなか見つからない失せ物のありかを聞いてみよう!

小学生の時です。絵が好きだった僕はいじめられっこに自由帳を隠されて泣いていました。そうしたら用務員のおじさんがこっそり教えてくれたのがじぐざぐさんです。
「この学校にはなあ、じぐざぐさんがいるったい。隠されてもなあ、じぐざぐさんが探してくれるとよ。一緒にやろうなあ」

と、な、り、の、く、ら、す、の、そ、う、じ、ろ、つ、かー
だとじぐざぐさんは教えてくれた。
自由帳は見つかったよ。でもめちゃくちゃにマジックでらくがきされてて、僕は泣いた。そうしたら、じぐざぐさんが言ったよ。
ま、け、る、な、
や、ら、れ、だ、ぶ、ん、よ、り、お、お、く、か、け

僕はジグザグマをいっぱい描きました。
そんなわけで僕のチルッターのアイコンのジグザグマはじぐざぐさんをイメージしてます。
校舎の裏には小さな祠があって、ここの神様がじぐざぐさんなんだとおじさんは言ってました。元々は校舎ができる前、ここに住んでいたジグザグマだったらしいです。

このエピソードはポケモン世界で売られてる不思議系児童文学「じぐざぐさんのはなし」に入ってる短編のうちの一つで「ぼくとじぐざぐさん」というタイトル。

じぐざぐさんの話はホウエンのあちこちに点在していて、物を探してもらうストーリーが多い。隠された上履き、無くしたキャラクター消しゴム。先生に没収されたゲーム機。校庭に埋めたタイムカプセルの場所がわからなくなってじぐざぐさんに聞いたらすぐわかったなんて話もあります。祠も多数。

ホウエン人にとって最も身近なおまじないないのひとつ、それがじぐざぐさんなんです。
尚、きんのたまわざマシンなどを置いて行うと、探し物のうまいじぐざぐさんが来てくれる、という話もあります。
高位存在にまっすぐさんがおり、ガチな捜し物があればその手の道に通じた人と一緒に呼び出します。

じぐざぐさんに失せ物を探してもらって見つかったら、お礼として近くの草むらにきのみを埋めましょう。
木が生えてきのみがなれば、じぐざぐさんの末裔であるジグザグマたちがおいしいきのみを食べる事ができるからです。
約束だよ!

じぐざぐさんの呼び名はホウエン内でも地域差があり、まめださん、あなぐまさん、ムジナ様などとも呼ばれます。ムジナ様はまっすぐさんを含んだ総称と思われます。やじるしさん、という呼び名もあり、まっすぐさんの事と思われます。

じぐざぐさんにも練度や格があるのは先ほど触れた通りですが、まったく失せ物の場所を教えてくれず、
も、も、ん
お、れ、ん
など、食べもののことしか言わない事があります。この場合、くいしんぼさんがきています。
先にきのみを埋めましょう。次はものひろいのじぐざぐさんが来てくれます。

ジグザグマ信仰はホウエンでは根強いものがあり、助けたジグザグマが毎日小判を拾ってきて大金持ちになったジグザグマ長者の昔話は有名です。これにはきのみを持ってきたので埋めて育てたら大変珍しいもので高く売れ、家が豊かになったなどのバージョンがあり、じぐざぐさんとの関連性も指摘されます。

ジグザグマ長者、海辺近くのバージョンだと、綺麗な貝殻拾ってきたり、ジグザグマを助けた数日後、漁に出ると、どこからかマッスグマが波に乗ってやってきて、漁の穴場を教えてくれたので、だんだん家は豊かになった、とあります。
いあいぎりで山での芝刈りを手伝ってくれた、みたいな話も。

また、じぐざぐさんの始まりに関してはこんな話もある。昔、年貢を取り立てていた役人が死んだ時、地獄で閻魔様にこう言った。
「取り立ててばかりの人生だった。許されるのであれば、与える者になりたい」
役人はまめだぬきに生まれ変わり、ものひろいをしては農民に与え、死後も神として土地に留まった。

ジグザグマに転生した役人は土地の殿様だったとも、泥棒だったとも、山賊だったとも伝えられている。いずれも後悔ないし、地獄で閻魔様に諭されるなどしてその道を選んだという。
山賊や泥棒が死ぬ間際、ジグザグマがきのみを持ってきてくれて悔い改めたとも言われている。

文字盤を使ったポケモン霊の呼び出しはホウエンではじぐざぐさんが圧倒的で、カントーなどではロコンさんが優勢となる。ホウエンでも送り火山周辺ではロコンさんが人気で、イタコと一緒に呼び出して、死んだポケモンや家族のあの世での様子を聞くなどするという。

じぐざぐさんは割合ほのぼのとした話が多い一方、ロコンさんには怖い話も多い。ロコンさんと言えど、必ずしもロコンとは限らず、十円玉はゴーストの手が動かしているとか、スリーパーやユンゲラーの仕業とも言われている。降霊の後に「私ロコンさん、今家の前」とかメールがきたら絶対ロコンではない。

ちなみにホウエンには別勢力もいる。キルリアちゃんだ。
こちらは恋や人間関係の専門で、あの人と両想いになれるか、縁をきったほうがいいかなどの相談に乗ってくれるという。儀式の作法はじぐざぐさんとほぼ同じで、年頃の女の子たちの信仰が厚い。ラルトスさん、サーナさんも同系統。

「じぐざぐさん、じぐざぐさん、人間の絆を探しています。人と仲良くできません。辛いです」
つ、ら、か、つ、た、ね
で、も、そ、れ、は、
お、ち、て、な、い
つ、く、り、な、さ、い
「この回答…霊格がまっすぐさんに進化したに違いない…」

「まっすぐさん、まっすぐさん、愛を探しています」
き、み、の、な、か、に、あ、る
だ、れ、か、に、あ、げ、る、と
み、つ、か、る
「すっげーいい人(?)だ…」
「人間より人間ができてるな」
「神様歴の長さって伊達じゃないな…」

「じぐざぐさん、じぐざぐさん、ぼくのしょうらいのおよめさんはどこにいますか」
「それ失せ物じゃないじゃん!」
め、の、ま、え
「……」

「それがね、パパとの馴れ初めなのよ」と母は語った。

 

 

浅草橋ぶらり旅

017です。
GWが明けましたね。

主にノルレボ紹介マンガの執筆を進めていましたが、それ以外何もしなかったわけでもなく、お台場でキュリオス見たりしていました。

最終日は新宿の骨董市で玉の根付を売っているおじさんと談笑したり、浅草橋でぼーっとして昼寝し銭湯に入るなどしていました。
浅草橋、仕事の都合もあって、時々足を運ぶのですが、あのあたりは良いですね。風景も面白い。

あの付近の魅力ですが、まず浅草橋駅近くにあるミートソースの飲み屋(浅草橋 東京MEAT道場)がうまい。

あと店。
人形の店とビーズの店とシモジマ(包装グッズ専門店)など大変個性的なお店が多いです。
シモジマ同人誌即売会でブースを出しているような人には絶対に面白いお店ですからぜひ足を運んでいただきたいですね。

神社も多い(個人的推しポイント)。

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そして絵描きや写真撮りには何より街並みが面白いと思う。大通りからちょっと中に入ると昭和な民家がいっぱいあるんだよね。

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なんていうか、晴れた日に一軒家のベランダから突き出される洗濯物が最高だと思う。
いや、多くは足を置くところなんてないから、ベランダですらないの。あの、窓についている、檻のような、家と外との境界を区切る柵。あそこの上に洗濯ハンガーに洗濯物がかけられて、五月のいい天気の日に風にたなびいているのがてとも美しい。歩いていて見ていると、時々干してるおばさんが窓から見える。

静かなんだけど確かに人の営みがあって、老朽化した設備の銭湯があって、古いタイルが敷き詰められていて、ひび割れていて、そのボロさ故の美しさがあるんだよ。何にも考えずに歩くにはよい場所だよ。

しばらく歩いて、公園のベンチで昼寝して、
鶴の湯って銭湯に入ったよ。

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銭湯のさ、あの屋根の高さいいよね。窓の曇りガラスを見上げながら、あれが割れたら今同じ模様の製品を取り寄せられるのだろうか、と考えた。床や壁のタイルにも同様の想いを巡らせた。替えのタイルあるのかな? 番頭さんもいいよねお年だし、いつまであの風景が維持されるんだろうと考えた。

設備面で見たら正直460円高いような気もするんだけど、古い貴重な建物を楽しむ込みの値段と考えると悪くない気がしている。湯上りにモナ王むしゃむしゃ頬張りながら、木のベンチに座ってテレビだらだら一時間見て、木の下駄箱から靴を回収して帰りました。

こういう都内プチ一人旅が大変好きです。

ひさびさにゆっくりしたと思います。
良い時間だった。
思い出した時にまた行こう。

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いつだってポケモンは隣にいた …キミにきめた! 感想(ネタバレあり)

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話題のポケモン、キミにきめた!を16日に見てきました。

前記事:吉祥寺ピジョン編 

 前記事では主にピジョンに偏った感想を書きましたが、今度は主に映画全般について雑多に書こうと思います。

 

まず、映画全体の評価ですが「よかった」と思います。

私は結構、ポケモン映画に対する評価は辛い傾向があるんですが、今回は推せます。

一部むりやりだなーと思った部分もあるものの、好きですね。

 

一応知らない人の為に私のプロフィールを書いておくと
ポケモン歴20年くらい(初代が流行りはじめて1年くらいでプレイ)
・初めてのポケモンヒトカゲ。好きなポケモンピジョン
ポケモン本編の新作は必ずプレイ
・対戦はそこまでやらない
・アニメは初代から見てダイパ以降は気が向いたり時間が合えば
・映画は ディアンシーボルケニオン以外見てる
ポケモンカードを初代から収集
ポケモンフォギュアオタク(立体ポケモン図鑑はほぼ全種所持)
・趣味でポケモン同人をやってる、小説とか書いてる
ポケモン個人サイト運営歴15年

ピジョンエクスプレス―ポケモン小説とイラストのサイト

みたいな感じの割と重度のポケモンオタクです。

これらの属性は今回の感想にかなりの影響を及ぼしていますので、まぁ頭の片隅にでも置いといてください。

 

以下、だいたいストーリー進行順に印象に残った点を列挙していきたいと思います。

 

 

●サトシ階段落ちすぎ問題

いやもうこれでもかってくらい階段やベッドから落ちる落ちる。

年甲斐もなく落ちるたびに声出して笑ってしまった。

おそらくこれが歴史改変の原因だと私は推測しています。

 

●サトシの一人旅

正確にはピカチュウがいるので1人ではないのですが、カスミやタケシがいる場合と対比してあえて一人と表現します。

個人的にはこれがすんごいツボだった。
何がいいかって、人間が複数いると、どうしても人間同士のやりとりになっちゃうんですよ。今回はいないから手持ちポケモンだけに注力できるんです。
ポケモンとキャッハウフフタイムが長いんですよ!
これは我々がゲームでやったことの追体験なんですよ!
まあ途中で三人になるんですけども、このパートがかなり好きです。

 

 

イワークビバーク

途中の雨宿りシーンで無印のイワークビバークをオマージュシーンが。

後でわかったんですが、あの回、脚本の米村さんだったんですね。

ポケモンに温めて貰うって、ポケモンを抱きしめて眠るってポケモンで育った人たちの夢じゃないですか。

ポケモンが隣にいるっていうことを肌で実感するエピソードだと思うんですよ。

で、そこにエンテイもやってきて、ちょっと心のふれあい?というかそういうのがあって。

この画面にはポケモンに夢中になった誰しもが空想し、妄想した冒険のロマンと夢がぎゅっと詰まってるわけですよ!

イイネ!

ちなみに元ネタとなったアニメ無印のこの回、ピジョンがサトシをあっためてくれる神回なのですが、冠羽の色がピジョットというとんでもない作画ミスがあります。

 ※ピジョン同志であるおはるさんの指摘により取り消し

サトシピジョン警察です!ピジョンの塗りミスがあるのは無印の「イワークビバーク」ではなく、その回を回想するシーンがあるBWの「燃えよリザードン!VSカイリュー!」です!イワークビバークピジョン正真正銘のかわいいピジョンです!ご安心ください!  とのこと

 

●まさかの喪失エピソード

過去エピソードでレントラー、ソウジを守り凍死。

喪失エピソードはサンムーンのムーランドですでにやっているのですが、ここでびっくりしたのはキレイな死体とはいえ、死に顔がばっちり場面に映ってる事。

ムーランドでさえ避けた描写を…

まじかよ?

それやっちゃうの?

今年の映画、何かがおかしい…(ざわざわ

そしてその予感は、現実のものとなります…

 

●ソウジの属性

めっちゃ個人的な事なんですが、私はポケモン民俗学みたいな同人誌を出している関係上、ソウジがポケモンの伝説を調べてる設定がすごく!!! ツボでした!!! 

友達になりたい。

 

ロケット団

手配写真を見ただけでなんか笑えてしまった。

コジロウが薔薇持ってるのよくない? たいけつ!ポケモンセンターを思い出しましたよ。

今回の映画は全体的に好きなんだけど、サトシ達との絡みがなかったのは残念だった。願わくば彼らの為にもう30分欲しかった!!!

 

●タケシとカスミいない問題

これは戦略的に失敗でしょ。
そう思っていた時期が私にもありました。

でも、 結果としては、出さないで正解だったと思う。
というのもロケット団ですら、彼らのためにもう30分欲しいと思ってしまったんですよ。
カスミとタケシなんて出したら尺がいくらあっても足りねーよ!
少なくとも私が脚本家だたらまとめる自信がありませんね。
まぁ仮に脚本にうまいこと組み込んだとしましょう。
でもね、どんなにうまく立ち回ったとしても絶対に不満が出ますよ。
描写が足りない、出番が足りない、こんなのカスミじゃない、タケシじゃないってね。
それはきっと出さなかった結果以上のマイナスポイントになってしまったと思う。
個人的にサトシ一人旅がツボだったこともあって、今回はこれでいいと思いました。
たぶん、サトシのバッジがエリカで3つ目だったの、ニビジムが閉鎖してるからじゃないかな。
タケシはタケシで旅に出てるんだと思う。きっとどっかのポケモンセンターでジョーイさーんってやって、ロコンに呆れられてますよ。
ハナダジムはやっててサトシもジムバトルしたけれど、運営はきっとお姉さんで、カスミは水ポケモンマスター目指して旅してるんじゃないですかね。どっかでコダックが勝手にモンスターボールに入ったりして頭抱えてますよ。きっと。

 

キャタピーの強靭な筋力

アニメや漫画になると強化される技、糸をはく。

今作でも圧倒的強さを発揮。

カイロスに巻きつけて…動きを止め…いや、な、投げただと?!

今作におけるキャタピーの腹筋と背筋は相当なものだと思います。

 

ポッチャマのドリルくちばし

意表をつかれた。好き。

 

リザード愛おしすぎ問題。

無印でも弱いと捨てられていたヒトカゲですが、今回はライバルポジション?であるクロスによって捨てられて、サトシに拾われます。

冒険を続けていくうち、ついに進化! サトシに走り寄りジャンピング抱擁! 全身で喜びを表現するリザード

お、お前、可愛すぎか!!!

この胸の高鳴りはなんだ。

無印のリザードは言うことを聞かなくなってしまうのですが(人から貰ったポケモンはトレーナーの実力以上にレベルが上がると言うことを聞かない表現と思われる)、こっちのリザードは素直そのもの。

とってもサトシを慕ってる感じが実に良い。

本作はリザードでいる期間が長く、一緒に強くなる描写がなされそれが非常に好感触でした。

リザードの発展途上の体つきがこれでもかというほど画面に映る!

リザード期特有の真っ赤なボディが躍る! 

くう、たまらん!!!

リザードの「きりさく」っていいよね!

この成長途上のナカシンカの魅力がわかるかね????

リザード! リザード! ああ、リザード!!

赤でヒトカゲを選んでリザードンにすべく一生懸命戦わせたクチなんでもうリザードにメロメロですよ。ピジョンと一緒にね、パーティで頑張ってたんです。

本作の抱きしめたいポケモンナンバーワン、それがリザードです。

 

●サトシ、闇落ち。
そんな風にリザードと順調に連戦を重ねてきたサトシですが、クロスがバトルを仕掛けてきます。
結果はガオガエンリザードが敗北。
「弱い奴に価値はない」と投げつけられます。

あいつは間違ってるのに!
正しいのは俺のはずなのに!
なのに……なんで勝てないんだよ!!!
サトシは葛藤し、ピカチュウを使えばよかったんだとか、そもそも最初のポケモンの選択が間違っていたのだとか、思考が極端な方向に走り出します。

いやあ、このさ、、、
この中盤のサトシの悩み方最高じゃない?

倫理的な正しさと、実力ってまったく別のパラメーター。
ところがこの区別がついてない人は大人にも多いんじゃない?
自分に子供はいないけれど、同じ場面で自分の子や身近な子が悩んだ時になにをしてやれるだろうと思ったよ。

でさ、きっとクロスにも同じような時期があったんじゃない?
で、クロスの方はとにかく実力だ! 実力をつけるべきなんだ!ってほうに振り切れた。
そしてそれはある意味では正しい。
本当はどっちも持ってることがおそろらく好ましいんだと思うんだけど。
パラメーターが極端になったのが、クロスだと思うんよ。

これ、結果的にはヒトカゲが鍛えれば強くなる個体だったからよかったけど、現実世界では、マジに身体が弱くて鍛えても強くなれないって場合もある。
そういう問題にどう立ち向かっていくか?
そんなところまで考えてしまったよ。

悩んだ結果、あの時こうしていたらああしていたら…こうしていればよかったんじゃ…
あーもう根本的にダメだチクショウ! みたいにどんどん迷走していくのも子供っぽいっていうか、まああれ大人でもあるよな!!!! 
好き!!!

 

長くなりましたが、こうやって悩むところってあまりアニメでは描写されてこなかった部分でもあり、私は非常に興奮した。
すっげー大好きな病み方してた。
ぶっちゃけ、性癖だった。もっとやっていいのよ。

(ちなみにXYの雪山の回は大好物です)

 

●そして、問題のシーンへ

そんなサトシの様子を影から見ていたマーシャドー。サトシにある夢を見せます。

今作である意味一番の問題シーンへと突入していきます。

 

 サトシはいつものように(遅刻して)目覚め、そして学校へ行きます。同級生と屋上で語らうおだやかな日々。あの先には何があるんだろうと無邪気に語ります。なんのことはない小学生の日常風景。

しかし、この情景に私達は震える。

サトシの部屋の車のポスター。空を飛ぶ飛行機。

これは我々の世界そのもの。知っている日常、それなのに、なんなんだこの怖い夢は……

たぶん、ポケモンと付き合った期間の長い人間ほど、こう思ったはず。

ポケモンがいない世界なんて、ありえないだろ… って。

 

・一緒に旅をする事も出来ない、キャッハウフフできない

・洞窟で雨宿りして暖めあったりもできない

・バトルの結果に一喜一憂もできない

ポケモンが死んで、その死を悲しむ事もできない

・そもそもポケモンの概念自体が存在しない

 

 

先ほど、私達の知っている日常とあえて書きましたが、違います。

 

私達は実体としてのポケモンに触る事はできません。

画面を通してしか触れ合う事ができません。

けど、ポケモンが傍にいる事は知っています。

触れないだけで、ポケモンは私たちの世界にもいるんです。

私達がその存在(概念)を認識してるんです。

この20年間、ずーっとポケモンの事を考えて、ずーっとポケモンに心ときめかせてきたんです。

サトシの見た夢。

それはポケモンの概念すら存在を許されない世界。

怖すぎでしょ。

これは映画に来た大きいお友達ほど恐怖を感じたのでは。

少なくとも私はめっちゃ怖かったぞ…

だって、ポケモンは人生。

ポケモンの存在しない人生なんてありえないもん。

 

今回の映画は歴史改変だと批判を浴びた。

でも歴史が変わってもポケモンが隣にいてくれた。

歴史が変わって、出会いが多少変わってもいい。

けど、ポケモンいないのはごめんですよ。

 

だからもう、サトシが「ピカチュウごめん」って言って、私はもう、うるっときちゃいましたよ。

 

サトシにとってのピカチュウ

自分にとってのポケモン

 

それが重ね合わさった瞬間ですよ。

 

個人的にはもうここがクライマックスですよ!

ちょっともうここで感動がすぎて、実は後半あんまり頭に入らなかったです。

闇堕ちピジョンに興奮したからっていうのもあるけど、

問題のシャベッタアア!シーンですら衝撃が薄れちゃったもん。

 

とにかくそれくらいここのシーンは痺れました。

最高。

 

というかマーシャドーの能力ヤバくない?

この破壊力、歴代最凶じゃない?

 

一応、この場面はサトシの夢って事になってるけど、

私はここ、マーシャドーがサトシの精神をマジにポケモンを拒絶した、概念の存在しない世界に飛ばしたんじゃないかと疑っていますからね。

だって、そっちのほうが怖いし。

個人的にはこのシーン、うまくラストに組み込めなかったのかな~と思ってるくらいよかったですよ。

(でも、表現的にくどくなるし、キッズにはわかりにくいから駄目だろうな)

 

そして、ラストのほうではついにマーシャドー本気を出し、

サトシは精神どころか肉体ごとポケモンのいない世界に飛ばされた。

 

正直、後半のポケモン総攻撃→サトシ消滅 に関しては

またいつものポケモン映画か~みたいな冷めたノリで見てたところがあるんですが、こうやって冷静に感想を書いてると、

サトシが消えていった世界にピカチュウ飛び込んでますよね?

つまり、

 

ポケモンの存在を許さない世界

そこにピカチュウが飛び込み、サトシを引き戻した

=

ポケモンがいない世界の概念がポケモンが飛び込んでくる事により変わった

 

と、とれるわけで、

あれ、ものすごい感動シーンじゃないですか? これ。

 

イツモイッショニイタイカラ…

 

よし、やっぱりもう一回見てこよう!!!!!

ピジョンの見逃しもあるし)

 

虹色の勇者ってなんだ、ホウオウとのバトルやけにあっさりだったな???

とかまぁいろいろありますけど、

もう私、これが見れただけで映画には満足です。

 

●シャベッアアアアア!!!

サトシの幻聴。もう少し良い言い方をすれば以心伝心。サトシにはそう伝わったというもので、物理的にシャベッタアアアアアアアアアア訳ではないと思うよ。

死に際の悟りみたいなもんじゃん?

 

●クロス君と虹色の羽のこと

今作のクロス君がルガルガンを正気に戻そうとして
「出会った時も同じように噛みついてきた」
みたいな台詞言ったんですけど、もうそこで

ガタッ!!! ってなったよね。

 

ちょっと???
今、キミなんて言ったかな???
そこんとこ、もうちょっと詳しくお姉さんに教えてくれないかな???????

 

あの一言だけで、いろんな背景を想像させ、
本作屈指の吸引力を発揮したクロス君およびルガルガンはヤバい。

(後でポケモン小説友達と話したら、みんな結構そこに反応してて笑った)


クロス君、まぁクソ野郎だとは思うんですけど、
そんな彼であってもポケモンとの絆はあるんですよね。
(だからこそ、サトシとピカチュウが、ポケモンを拒絶する世界からの脱却する、というのは感動的である)
というか、私、彼の事そんなに嫌いじゃないんですよね。

 

彼もホウオウを見た。
けれどホウオウは虹色の羽をくれなかった。

正直「なんで俺じゃなくてお前なんだ!」って叫びにくるものがあった。
同じくそう思った人は挙手してほしい。

自分以外の誰かが選ばれた。
そんな時、人はどんな行動をとるだろう?
普通ならなんだ自分はこんなものかっておとなしく諦めるか、あるいはふてくされるか。
遠くからぐちぐち文句を言って、相手の失敗を願って、腐るような場面ですよ。
たいがいの人間はそうなりますよ。

ところが、彼は違った。
やり方はいろいろまずいとは思うんだけど、だったら奪ってでもとりにいってやる! ってなった。
私はその行動力すごいと思うよ。

彼は将来何かを掴むと思うな。

なので私は彼の事、嫌いじゃないです。
いろんな選択肢や物差しを獲得した上で彼のようなスタンスであれば、手に掴めるものって、無数にあると思うなあ。

誰かが与えてくれる空から降ってきたものじゃなくて、自分が欲しいと思ったものを自分で掴みに行けると思うよ。

だいたいさ、12歳なんてまだ自分の欲しいもんもちゃんとわかってないじゃないすか。
彼らはこれから自分にとっての「虹色の羽」を見つけていかないといけないんすよ。

虹色の羽ってなんなんだろうね。
クロス君とルガルガンを通してそんな事を考えました。

 

 

マーシャドーとホウオウは何をしたかったのか(8/20夜・追記)

まあその、マーシャドーは映画的に出さなくちゃいけないノルマの消…ゴフッ。

あ、すいません、これ以上言うとポケモンの概念がない世界に飛ばされかねないのでやめておきます。

個人的には、ポケモンと一緒にいたいかを試す存在なのかなぁ…とか思ってます。

 

というのもですね、ポケモンオタク二十年やってるとですね。
いろいろあるんですよ。
ポケモンを通して友達もたくさんできる。
けど、喧嘩もすれ違いも対立もするし、その中で間違いも起こすわけですよ。
それは相手が悪い場合も、私に原因がある場合もある。
ひどいときゃ絶好、縁切り、忘れたくても忘れらない思い出をこの胸に刻むことになります。
そんな時思っちゃうわけです。

「そもそもポケモンを好きになるべきではなかったのか?」
「私にはポケモンを好きでいる資格があるのか?」 

私はそうやって闇落ちしかけた経験がある。
だから、映画のサトシに共感します。

ほんとね、ドンべこみすると思考が変な方向にいって過去の過去に遡って、そもそもあそこから、とか、最初から間違えていた、とかそういう極端な方向に走り出すんですよ。
だからサトシのあの描写はリアル。

でもね、過去の過去に遡っての否定なんて、現時点の自分の不甲斐なさから目をそらして逃げていることに他ならないんです。
トレーナーが負けた理由をポケモンに求めるのに似ています。

 

サトシがポケモンの世界にいるということ、
あるいは私達がポケモンというジャンルに身を置くということは、
楽しく素晴らしい。
けれどその一方で、すれ違いだの、対立だの、死別だの、取り返しのつかない失敗だのといった苦しみを味わう世界に身を置くという事でもあります。

だったらいっそのこと、ポケモンのいない、ポケモンが生む悲しみのない世界に行くか?
と、マーシャドーは問いかける訳です。

しかし、サトシや私達の答えはやっぱり、

 

そんなのいやだ!  ポケモンと一緒にいるんだ!!!

 

なんですよね。

ごめん!
未熟ですまない、でも頼むから一緒にいてくれ!
というね。

ホウオウが求めている幸せのエネルギー(?)とはまさにそういうものなのではないでしょうか。


友人の考察には「そもそもサトシは選ばれてない」というのがあります。
ホウオウを見た者の中で羽を手に入れたのは運が良かっただけで、たまたまという説です。
私の中ではにわかに信憑性を帯びてきている。
羽を巡って諍いがあり、それらを断罪する一連の過程こそ、儀式であり、通過儀礼であり、想定されたものなのではないか?

 

彼ら(マーシャドーとホウオウ)は
二十年ごとくらいに少年少女たちを試すのですよ。

お前たちはポケモンが好きか?
ポケモンは怖い生き物だよ。
ポケモンと一緒にいることによって
対立が起こるし、死別して悲しむことになるし、挫折を味わうよ。
どうしようもない自分自身と向き合わなくちゃいけないよ、と。
お前達はそれでもポケモンといたいか? と。

 

今回はピカチュウが「すっと一緒にいたいから」って言いますけども、むしろ、こっちかお願いしなくちゃいけないですよ!

 

「頼む! ずっと一緒にいてくれ!」

 

 

 ●まとめ

そんなわけで、よかったです。好きです。

自分にとって、ポケモンという存在がいかにかけがえのないものなのか、それを再認識させてくれた映画だったと思います。

感想書いてて出てきた考察や、見逃したピジョンの確認も含めて、最低もう一回は見にいきたいですね。

 

みんなの感想も見たいからどんどん書いてくれよな!

ピジョンを求めて吉祥寺 …ポケモンキミにきめた! 感想(ネタバレあり)

話題のポケモン映画、キミにきめた!

16日に見てきました。

 

タイムラインを覗いていたら、ピジョン同志であるリスさんと、ポッポクラスタの豆男さんが映画にピジョン出てるか確かめようぜ!とか盛り上がってるじゃないですか。

 

おいなんだよ!

私も混ぜろよ!!!

 

ということでいい歳した大人三人、

吉祥寺のヲデオンに圧倒的主役であるピジョンの存在を確認しにいったのであります!

 

配布ポケモンの資料を見ながら

「サトシのピカチュウとかいらなくね?」

「サトシのピジョンがほしい」

「それ」

とか語ってるいい大人三人。

持ち込みOKの映画館なので、近くの成城石井で小粋に巻きずしなどを買い込み、劇場入りします。

 

まあぶっちゃけ、期待はしてなかったというか

ピジョンは無印のサトシの手持ちではありますが、タケシとカスミが切られてる以上ピジョンレギュラーも期待できまい、ポッポ系統がモブで画面に写れば大勝利!!!

という勝利条件のもと、視聴開始。

 

とか言ってたら

開始しょっぱなからピジョットが飛んだ!

興奮するいい大人三人!

気分はもうこんな感じですよ。

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バカだこいつら!

 

ちなみにサトシがポッポの捕獲を試みたため、ポッポはばっちり写り、その後オニスズメに石をぶつけて例の展開へと移っていくのでした。

 

ちなみに、ピジョンは後半出てきました。

ピジョットと一緒に闇落ちして。

 

私たちの盛り上がりは最高潮に達します。

隣に座ってるリスさんとがっちり握手。

 

やった!

我々は勝利した!

ピジョンクラスタ万歳!

 

きっとこれはあれですよ。時空を超えた逆襲に違いありません。

「オレンジ諸島から帰ったらすぐ迎えにきてやるからな」

果たされなかった約束の物語。

フィルムブックでは台詞が書き換えられてるらしいですが、そんな事は知りませんよ?

ピジョンクラスタは20年経った今でも忘れてないからな?

 

無印サトシが20年迎えに来ない恨みをここで果たすべく、

空を縦横無尽に駆け巡るピジョンピジョットたち!

 

おんどりゃああああああああ!

20年の恨み!

今ここで果たしてくれるううううう!

いけー! やっちまえー!

 

これが大勝利と言えずになんと言うのでしょう!

 

マーシャドーと他のポケモン達の協力もあり、

おかげでサトシは一旦この世から消されました。

 

20年放置したのだから、これくらいの罰はあって然るべきでしょう。

 

20年の時を超えて、

ピジョット放置の罪はやっと断罪されたのです。

 

まあ、この時空の本人に覚えはないでしょうけど、

そんな事は知りません。

 

とにかくピジョンクラスタは大勝利したのです!!!

 

 

こうして。我々はピジョンの偉大さを再確認し、飯食って、鳥グッズあさって、お茶飲んで解散しましたとさ。まったくいいやつらです。

 

いやー、素晴らしい映画でしたね

劇場版ポケットモンスター 

ピジョン 時空を超えた逆襲」!!

 

というわけで、「吉祥寺ピジョン編」はこれにて終了。

ストーリーのまじめな感想はまた今度書きます。

 

 

※ところで後から豆男さんにきいてわかったのですが、中盤のプリンとのバトルの背景にトレーナーと一緒にいるピジョンがいるらしいのですが、すっかり見逃してしまったので二回目に行かなくては…まだまだピジョン修行が足りませんね。

 

 

まじめな感想書きました。

いや、ピジョン超重要事項ですけど。

pijyon.hatenablog.com