017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ロコンさんとじぐざぐさんのお話

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コックリさんって低級動物霊とか言われてますけど、ポケモン世界でコックリさんやって、ロコンとかジグザグマとかピカチュウの霊が出てきたらかわいいから、積極的にやってしまうし、文字盤の十円玉は きのみ きのみ って動くと思う。

「ロコンさん、ロコンさん、どうぞおいでください。もしおいでになられましたら『はい』へお進みください」

「ロコンさん、ロコンさん、きのみは何が好きですか」
も、も、ん
「…かわいい」

より占い精度の高いキュウコン様もいるけど、くだらない質問すると呪われるから注意しようね。いい感じの油揚げとか高級なきのみ置いてやるといいってよ。
キュウコン様、キュウコン様、おいでになりましたら「はい」の方向へお進みください。デパ地下で買ってきた高級油揚げもございます」

失せ物探しにはジグザグマ霊を呼び出そう。
「じぐざぐさん、じぐざぐさん、おいでになりましたら「はい」の方向へお進みください」
って呼びかけて、十円玉がじぐざぐに動き「はい」の方向に行けば、じぐざぐさんだぞ! なかなか見つからない失せ物のありかを聞いてみよう!

小学生の時です。絵が好きだった僕はいじめられっこに自由帳を隠されて泣いていました。そうしたら用務員のおじさんがこっそり教えてくれたのがじぐざぐさんです。
「この学校にはなあ、じぐざぐさんがいるったい。隠されてもなあ、じぐざぐさんが探してくれるとよ。一緒にやろうなあ」

と、な、り、の、く、ら、す、の、そ、う、じ、ろ、つ、かー
だとじぐざぐさんは教えてくれた。
自由帳は見つかったよ。でもめちゃくちゃにマジックでらくがきされてて、僕は泣いた。そうしたら、じぐざぐさんが言ったよ。
ま、け、る、な、
や、ら、れ、だ、ぶ、ん、よ、り、お、お、く、か、け

僕はジグザグマをいっぱい描きました。
そんなわけで僕のチルッターのアイコンのジグザグマはじぐざぐさんをイメージしてます。
校舎の裏には小さな祠があって、ここの神様がじぐざぐさんなんだとおじさんは言ってました。元々は校舎ができる前、ここに住んでいたジグザグマだったらしいです。

このエピソードはポケモン世界で売られてる不思議系児童文学「じぐざぐさんのはなし」に入ってる短編のうちの一つで「ぼくとじぐざぐさん」というタイトル。

じぐざぐさんの話はホウエンのあちこちに点在していて、物を探してもらうストーリーが多い。隠された上履き、無くしたキャラクター消しゴム。先生に没収されたゲーム機。校庭に埋めたタイムカプセルの場所がわからなくなってじぐざぐさんに聞いたらすぐわかったなんて話もあります。祠も多数。

ホウエン人にとって最も身近なおまじないないのひとつ、それがじぐざぐさんなんです。
尚、きんのたまわざマシンなどを置いて行うと、探し物のうまいじぐざぐさんが来てくれる、という話もあります。
高位存在にまっすぐさんがおり、ガチな捜し物があればその手の道に通じた人と一緒に呼び出します。

じぐざぐさんに失せ物を探してもらって見つかったら、お礼として近くの草むらにきのみを埋めましょう。
木が生えてきのみがなれば、じぐざぐさんの末裔であるジグザグマたちがおいしいきのみを食べる事ができるからです。
約束だよ!

じぐざぐさんの呼び名はホウエン内でも地域差があり、まめださん、あなぐまさん、ムジナ様などとも呼ばれます。ムジナ様はまっすぐさんを含んだ総称と思われます。やじるしさん、という呼び名もあり、まっすぐさんの事と思われます。

じぐざぐさんにも練度や格があるのは先ほど触れた通りですが、まったく失せ物の場所を教えてくれず、
も、も、ん
お、れ、ん
など、食べもののことしか言わない事があります。この場合、くいしんぼさんがきています。
先にきのみを埋めましょう。次はものひろいのじぐざぐさんが来てくれます。

ジグザグマ信仰はホウエンでは根強いものがあり、助けたジグザグマが毎日小判を拾ってきて大金持ちになったジグザグマ長者の昔話は有名です。これにはきのみを持ってきたので埋めて育てたら大変珍しいもので高く売れ、家が豊かになったなどのバージョンがあり、じぐざぐさんとの関連性も指摘されます。

ジグザグマ長者、海辺近くのバージョンだと、綺麗な貝殻拾ってきたり、ジグザグマを助けた数日後、漁に出ると、どこからかマッスグマが波に乗ってやってきて、漁の穴場を教えてくれたので、だんだん家は豊かになった、とあります。
いあいぎりで山での芝刈りを手伝ってくれた、みたいな話も。

また、じぐざぐさんの始まりに関してはこんな話もある。昔、年貢を取り立てていた役人が死んだ時、地獄で閻魔様にこう言った。
「取り立ててばかりの人生だった。許されるのであれば、与える者になりたい」
役人はまめだぬきに生まれ変わり、ものひろいをしては農民に与え、死後も神として土地に留まった。

ジグザグマに転生した役人は土地の殿様だったとも、泥棒だったとも、山賊だったとも伝えられている。いずれも後悔ないし、地獄で閻魔様に諭されるなどしてその道を選んだという。
山賊や泥棒が死ぬ間際、ジグザグマがきのみを持ってきてくれて悔い改めたとも言われている。

文字盤を使ったポケモン霊の呼び出しはホウエンではじぐざぐさんが圧倒的で、カントーなどではロコンさんが優勢となる。ホウエンでも送り火山周辺ではロコンさんが人気で、イタコと一緒に呼び出して、死んだポケモンや家族のあの世での様子を聞くなどするという。

じぐざぐさんは割合ほのぼのとした話が多い一方、ロコンさんには怖い話も多い。ロコンさんと言えど、必ずしもロコンとは限らず、十円玉はゴーストの手が動かしているとか、スリーパーやユンゲラーの仕業とも言われている。降霊の後に「私ロコンさん、今家の前」とかメールがきたら絶対ロコンではない。

ちなみにホウエンには別勢力もいる。キルリアちゃんだ。
こちらは恋や人間関係の専門で、あの人と両想いになれるか、縁をきったほうがいいかなどの相談に乗ってくれるという。儀式の作法はじぐざぐさんとほぼ同じで、年頃の女の子たちの信仰が厚い。ラルトスさん、サーナさんも同系統。

「じぐざぐさん、じぐざぐさん、人間の絆を探しています。人と仲良くできません。辛いです」
つ、ら、か、つ、た、ね
で、も、そ、れ、は、
お、ち、て、な、い
つ、く、り、な、さ、い
「この回答…霊格がまっすぐさんに進化したに違いない…」

「まっすぐさん、まっすぐさん、愛を探しています」
き、み、の、な、か、に、あ、る
だ、れ、か、に、あ、げ、る、と
み、つ、か、る
「すっげーいい人(?)だ…」
「人間より人間ができてるな」
「神様歴の長さって伊達じゃないな…」

「じぐざぐさん、じぐざぐさん、ぼくのしょうらいのおよめさんはどこにいますか」
「それ失せ物じゃないじゃん!」
め、の、ま、え
「……」

「それがね、パパとの馴れ初めなのよ」と母は語った。

 

 

浅草橋ぶらり旅

017です。
GWが明けましたね。

主にノルレボ紹介マンガの執筆を進めていましたが、それ以外何もしなかったわけでもなく、お台場でキュリオス見たりしていました。

最終日は新宿の骨董市で玉の根付を売っているおじさんと談笑したり、浅草橋でぼーっとして昼寝し銭湯に入るなどしていました。
浅草橋、仕事の都合もあって、時々足を運ぶのですが、あのあたりは良いですね。風景も面白い。

あの付近の魅力ですが、まず浅草橋駅近くにあるミートソースの飲み屋(浅草橋 東京MEAT道場)がうまい。

あと店。
人形の店とビーズの店とシモジマ(包装グッズ専門店)など大変個性的なお店が多いです。
シモジマ同人誌即売会でブースを出しているような人には絶対に面白いお店ですからぜひ足を運んでいただきたいですね。

神社も多い(個人的推しポイント)。

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そして絵描きや写真撮りには何より街並みが面白いと思う。大通りからちょっと中に入ると昭和な民家がいっぱいあるんだよね。

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なんていうか、晴れた日に一軒家のベランダから突き出される洗濯物が最高だと思う。
いや、多くは足を置くところなんてないから、ベランダですらないの。あの、窓についている、檻のような、家と外との境界を区切る柵。あそこの上に洗濯ハンガーに洗濯物がかけられて、五月のいい天気の日に風にたなびいているのがてとも美しい。歩いていて見ていると、時々干してるおばさんが窓から見える。

静かなんだけど確かに人の営みがあって、老朽化した設備の銭湯があって、古いタイルが敷き詰められていて、ひび割れていて、そのボロさ故の美しさがあるんだよ。何にも考えずに歩くにはよい場所だよ。

しばらく歩いて、公園のベンチで昼寝して、
鶴の湯って銭湯に入ったよ。

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銭湯のさ、あの屋根の高さいいよね。窓の曇りガラスを見上げながら、あれが割れたら今同じ模様の製品を取り寄せられるのだろうか、と考えた。床や壁のタイルにも同様の想いを巡らせた。替えのタイルあるのかな? 番頭さんもいいよねお年だし、いつまであの風景が維持されるんだろうと考えた。

設備面で見たら正直460円高いような気もするんだけど、古い貴重な建物を楽しむ込みの値段と考えると悪くない気がしている。湯上りにモナ王むしゃむしゃ頬張りながら、木のベンチに座ってテレビだらだら一時間見て、木の下駄箱から靴を回収して帰りました。

こういう都内プチ一人旅が大変好きです。

ひさびさにゆっくりしたと思います。
良い時間だった。
思い出した時にまた行こう。

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いつだってポケモンは隣にいた …キミにきめた! 感想(ネタバレあり)

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話題のポケモン、キミにきめた!を16日に見てきました。

前記事:吉祥寺ピジョン編 

 前記事では主にピジョンに偏った感想を書きましたが、今度は主に映画全般について雑多に書こうと思います。

 

まず、映画全体の評価ですが「よかった」と思います。

私は結構、ポケモン映画に対する評価は辛い傾向があるんですが、今回は推せます。

一部むりやりだなーと思った部分もあるものの、好きですね。

 

一応知らない人の為に私のプロフィールを書いておくと
ポケモン歴20年くらい(初代が流行りはじめて1年くらいでプレイ)
・初めてのポケモンヒトカゲ。好きなポケモンピジョン
ポケモン本編の新作は必ずプレイ
・対戦はそこまでやらない
・アニメは初代から見てダイパ以降は気が向いたり時間が合えば
・映画は ディアンシーボルケニオン以外見てる
ポケモンカードを初代から収集
ポケモンフォギュアオタク(立体ポケモン図鑑はほぼ全種所持)
・趣味でポケモン同人をやってる、小説とか書いてる
ポケモン個人サイト運営歴15年

ピジョンエクスプレス―ポケモン小説とイラストのサイト

みたいな感じの割と重度のポケモンオタクです。

これらの属性は今回の感想にかなりの影響を及ぼしていますので、まぁ頭の片隅にでも置いといてください。

 

以下、だいたいストーリー進行順に印象に残った点を列挙していきたいと思います。

 

 

●サトシ階段落ちすぎ問題

いやもうこれでもかってくらい階段やベッドから落ちる落ちる。

年甲斐もなく落ちるたびに声出して笑ってしまった。

おそらくこれが歴史改変の原因だと私は推測しています。

 

●サトシの一人旅

正確にはピカチュウがいるので1人ではないのですが、カスミやタケシがいる場合と対比してあえて一人と表現します。

個人的にはこれがすんごいツボだった。
何がいいかって、人間が複数いると、どうしても人間同士のやりとりになっちゃうんですよ。今回はいないから手持ちポケモンだけに注力できるんです。
ポケモンとキャッハウフフタイムが長いんですよ!
これは我々がゲームでやったことの追体験なんですよ!
まあ途中で三人になるんですけども、このパートがかなり好きです。

 

 

イワークビバーク

途中の雨宿りシーンで無印のイワークビバークをオマージュシーンが。

後でわかったんですが、あの回、脚本の米村さんだったんですね。

ポケモンに温めて貰うって、ポケモンを抱きしめて眠るってポケモンで育った人たちの夢じゃないですか。

ポケモンが隣にいるっていうことを肌で実感するエピソードだと思うんですよ。

で、そこにエンテイもやってきて、ちょっと心のふれあい?というかそういうのがあって。

この画面にはポケモンに夢中になった誰しもが空想し、妄想した冒険のロマンと夢がぎゅっと詰まってるわけですよ!

イイネ!

ちなみに元ネタとなったアニメ無印のこの回、ピジョンがサトシをあっためてくれる神回なのですが、冠羽の色がピジョットというとんでもない作画ミスがあります。

 ※ピジョン同志であるおはるさんの指摘により取り消し

サトシピジョン警察です!ピジョンの塗りミスがあるのは無印の「イワークビバーク」ではなく、その回を回想するシーンがあるBWの「燃えよリザードン!VSカイリュー!」です!イワークビバークピジョン正真正銘のかわいいピジョンです!ご安心ください!  とのこと

 

●まさかの喪失エピソード

過去エピソードでレントラー、ソウジを守り凍死。

喪失エピソードはサンムーンのムーランドですでにやっているのですが、ここでびっくりしたのはキレイな死体とはいえ、死に顔がばっちり場面に映ってる事。

ムーランドでさえ避けた描写を…

まじかよ?

それやっちゃうの?

今年の映画、何かがおかしい…(ざわざわ

そしてその予感は、現実のものとなります…

 

●ソウジの属性

めっちゃ個人的な事なんですが、私はポケモン民俗学みたいな同人誌を出している関係上、ソウジがポケモンの伝説を調べてる設定がすごく!!! ツボでした!!! 

友達になりたい。

 

ロケット団

手配写真を見ただけでなんか笑えてしまった。

コジロウが薔薇持ってるのよくない? たいけつ!ポケモンセンターを思い出しましたよ。

今回の映画は全体的に好きなんだけど、サトシ達との絡みがなかったのは残念だった。願わくば彼らの為にもう30分欲しかった!!!

 

●タケシとカスミいない問題

これは戦略的に失敗でしょ。
そう思っていた時期が私にもありました。

でも、 結果としては、出さないで正解だったと思う。
というのもロケット団ですら、彼らのためにもう30分欲しいと思ってしまったんですよ。
カスミとタケシなんて出したら尺がいくらあっても足りねーよ!
少なくとも私が脚本家だたらまとめる自信がありませんね。
まぁ仮に脚本にうまいこと組み込んだとしましょう。
でもね、どんなにうまく立ち回ったとしても絶対に不満が出ますよ。
描写が足りない、出番が足りない、こんなのカスミじゃない、タケシじゃないってね。
それはきっと出さなかった結果以上のマイナスポイントになってしまったと思う。
個人的にサトシ一人旅がツボだったこともあって、今回はこれでいいと思いました。
たぶん、サトシのバッジがエリカで3つ目だったの、ニビジムが閉鎖してるからじゃないかな。
タケシはタケシで旅に出てるんだと思う。きっとどっかのポケモンセンターでジョーイさーんってやって、ロコンに呆れられてますよ。
ハナダジムはやっててサトシもジムバトルしたけれど、運営はきっとお姉さんで、カスミは水ポケモンマスター目指して旅してるんじゃないですかね。どっかでコダックが勝手にモンスターボールに入ったりして頭抱えてますよ。きっと。

 

キャタピーの強靭な筋力

アニメや漫画になると強化される技、糸をはく。

今作でも圧倒的強さを発揮。

カイロスに巻きつけて…動きを止め…いや、な、投げただと?!

今作におけるキャタピーの腹筋と背筋は相当なものだと思います。

 

ポッチャマのドリルくちばし

意表をつかれた。好き。

 

リザード愛おしすぎ問題。

無印でも弱いと捨てられていたヒトカゲですが、今回はライバルポジション?であるクロスによって捨てられて、サトシに拾われます。

冒険を続けていくうち、ついに進化! サトシに走り寄りジャンピング抱擁! 全身で喜びを表現するリザード

お、お前、可愛すぎか!!!

この胸の高鳴りはなんだ。

無印のリザードは言うことを聞かなくなってしまうのですが(人から貰ったポケモンはトレーナーの実力以上にレベルが上がると言うことを聞かない表現と思われる)、こっちのリザードは素直そのもの。

とってもサトシを慕ってる感じが実に良い。

本作はリザードでいる期間が長く、一緒に強くなる描写がなされそれが非常に好感触でした。

リザードの発展途上の体つきがこれでもかというほど画面に映る!

リザード期特有の真っ赤なボディが躍る! 

くう、たまらん!!!

リザードの「きりさく」っていいよね!

この成長途上のナカシンカの魅力がわかるかね????

リザード! リザード! ああ、リザード!!

赤でヒトカゲを選んでリザードンにすべく一生懸命戦わせたクチなんでもうリザードにメロメロですよ。ピジョンと一緒にね、パーティで頑張ってたんです。

本作の抱きしめたいポケモンナンバーワン、それがリザードです。

 

●サトシ、闇落ち。
そんな風にリザードと順調に連戦を重ねてきたサトシですが、クロスがバトルを仕掛けてきます。
結果はガオガエンリザードが敗北。
「弱い奴に価値はない」と投げつけられます。

あいつは間違ってるのに!
正しいのは俺のはずなのに!
なのに……なんで勝てないんだよ!!!
サトシは葛藤し、ピカチュウを使えばよかったんだとか、そもそも最初のポケモンの選択が間違っていたのだとか、思考が極端な方向に走り出します。

いやあ、このさ、、、
この中盤のサトシの悩み方最高じゃない?

倫理的な正しさと、実力ってまったく別のパラメーター。
ところがこの区別がついてない人は大人にも多いんじゃない?
自分に子供はいないけれど、同じ場面で自分の子や身近な子が悩んだ時になにをしてやれるだろうと思ったよ。

でさ、きっとクロスにも同じような時期があったんじゃない?
で、クロスの方はとにかく実力だ! 実力をつけるべきなんだ!ってほうに振り切れた。
そしてそれはある意味では正しい。
本当はどっちも持ってることがおそろらく好ましいんだと思うんだけど。
パラメーターが極端になったのが、クロスだと思うんよ。

これ、結果的にはヒトカゲが鍛えれば強くなる個体だったからよかったけど、現実世界では、マジに身体が弱くて鍛えても強くなれないって場合もある。
そういう問題にどう立ち向かっていくか?
そんなところまで考えてしまったよ。

悩んだ結果、あの時こうしていたらああしていたら…こうしていればよかったんじゃ…
あーもう根本的にダメだチクショウ! みたいにどんどん迷走していくのも子供っぽいっていうか、まああれ大人でもあるよな!!!! 
好き!!!

 

長くなりましたが、こうやって悩むところってあまりアニメでは描写されてこなかった部分でもあり、私は非常に興奮した。
すっげー大好きな病み方してた。
ぶっちゃけ、性癖だった。もっとやっていいのよ。

(ちなみにXYの雪山の回は大好物です)

 

●そして、問題のシーンへ

そんなサトシの様子を影から見ていたマーシャドー。サトシにある夢を見せます。

今作である意味一番の問題シーンへと突入していきます。

 

 サトシはいつものように(遅刻して)目覚め、そして学校へ行きます。同級生と屋上で語らうおだやかな日々。あの先には何があるんだろうと無邪気に語ります。なんのことはない小学生の日常風景。

しかし、この情景に私達は震える。

サトシの部屋の車のポスター。空を飛ぶ飛行機。

これは我々の世界そのもの。知っている日常、それなのに、なんなんだこの怖い夢は……

たぶん、ポケモンと付き合った期間の長い人間ほど、こう思ったはず。

ポケモンがいない世界なんて、ありえないだろ… って。

 

・一緒に旅をする事も出来ない、キャッハウフフできない

・洞窟で雨宿りして暖めあったりもできない

・バトルの結果に一喜一憂もできない

ポケモンが死んで、その死を悲しむ事もできない

・そもそもポケモンの概念自体が存在しない

 

 

先ほど、私達の知っている日常とあえて書きましたが、違います。

 

私達は実体としてのポケモンに触る事はできません。

画面を通してしか触れ合う事ができません。

けど、ポケモンが傍にいる事は知っています。

触れないだけで、ポケモンは私たちの世界にもいるんです。

私達がその存在(概念)を認識してるんです。

この20年間、ずーっとポケモンの事を考えて、ずーっとポケモンに心ときめかせてきたんです。

サトシの見た夢。

それはポケモンの概念すら存在を許されない世界。

怖すぎでしょ。

これは映画に来た大きいお友達ほど恐怖を感じたのでは。

少なくとも私はめっちゃ怖かったぞ…

だって、ポケモンは人生。

ポケモンの存在しない人生なんてありえないもん。

 

今回の映画は歴史改変だと批判を浴びた。

でも歴史が変わってもポケモンが隣にいてくれた。

歴史が変わって、出会いが多少変わってもいい。

けど、ポケモンいないのはごめんですよ。

 

だからもう、サトシが「ピカチュウごめん」って言って、私はもう、うるっときちゃいましたよ。

 

サトシにとってのピカチュウ

自分にとってのポケモン

 

それが重ね合わさった瞬間ですよ。

 

個人的にはもうここがクライマックスですよ!

ちょっともうここで感動がすぎて、実は後半あんまり頭に入らなかったです。

闇堕ちピジョンに興奮したからっていうのもあるけど、

問題のシャベッタアア!シーンですら衝撃が薄れちゃったもん。

 

とにかくそれくらいここのシーンは痺れました。

最高。

 

というかマーシャドーの能力ヤバくない?

この破壊力、歴代最凶じゃない?

 

一応、この場面はサトシの夢って事になってるけど、

私はここ、マーシャドーがサトシの精神をマジにポケモンを拒絶した、概念の存在しない世界に飛ばしたんじゃないかと疑っていますからね。

だって、そっちのほうが怖いし。

個人的にはこのシーン、うまくラストに組み込めなかったのかな~と思ってるくらいよかったですよ。

(でも、表現的にくどくなるし、キッズにはわかりにくいから駄目だろうな)

 

そして、ラストのほうではついにマーシャドー本気を出し、

サトシは精神どころか肉体ごとポケモンのいない世界に飛ばされた。

 

正直、後半のポケモン総攻撃→サトシ消滅 に関しては

またいつものポケモン映画か~みたいな冷めたノリで見てたところがあるんですが、こうやって冷静に感想を書いてると、

サトシが消えていった世界にピカチュウ飛び込んでますよね?

つまり、

 

ポケモンの存在を許さない世界

そこにピカチュウが飛び込み、サトシを引き戻した

=

ポケモンがいない世界の概念がポケモンが飛び込んでくる事により変わった

 

と、とれるわけで、

あれ、ものすごい感動シーンじゃないですか? これ。

 

イツモイッショニイタイカラ…

 

よし、やっぱりもう一回見てこよう!!!!!

ピジョンの見逃しもあるし)

 

虹色の勇者ってなんだ、ホウオウとのバトルやけにあっさりだったな???

とかまぁいろいろありますけど、

もう私、これが見れただけで映画には満足です。

 

●シャベッアアアアア!!!

サトシの幻聴。もう少し良い言い方をすれば以心伝心。サトシにはそう伝わったというもので、物理的にシャベッタアアアアアアアアアア訳ではないと思うよ。

死に際の悟りみたいなもんじゃん?

 

●クロス君と虹色の羽のこと

今作のクロス君がルガルガンを正気に戻そうとして
「出会った時も同じように噛みついてきた」
みたいな台詞言ったんですけど、もうそこで

ガタッ!!! ってなったよね。

 

ちょっと???
今、キミなんて言ったかな???
そこんとこ、もうちょっと詳しくお姉さんに教えてくれないかな???????

 

あの一言だけで、いろんな背景を想像させ、
本作屈指の吸引力を発揮したクロス君およびルガルガンはヤバい。

(後でポケモン小説友達と話したら、みんな結構そこに反応してて笑った)


クロス君、まぁクソ野郎だとは思うんですけど、
そんな彼であってもポケモンとの絆はあるんですよね。
(だからこそ、サトシとピカチュウが、ポケモンを拒絶する世界からの脱却する、というのは感動的である)
というか、私、彼の事そんなに嫌いじゃないんですよね。

 

彼もホウオウを見た。
けれどホウオウは虹色の羽をくれなかった。

正直「なんで俺じゃなくてお前なんだ!」って叫びにくるものがあった。
同じくそう思った人は挙手してほしい。

自分以外の誰かが選ばれた。
そんな時、人はどんな行動をとるだろう?
普通ならなんだ自分はこんなものかっておとなしく諦めるか、あるいはふてくされるか。
遠くからぐちぐち文句を言って、相手の失敗を願って、腐るような場面ですよ。
たいがいの人間はそうなりますよ。

ところが、彼は違った。
やり方はいろいろまずいとは思うんだけど、だったら奪ってでもとりにいってやる! ってなった。
私はその行動力すごいと思うよ。

彼は将来何かを掴むと思うな。

なので私は彼の事、嫌いじゃないです。
いろんな選択肢や物差しを獲得した上で彼のようなスタンスであれば、手に掴めるものって、無数にあると思うなあ。

誰かが与えてくれる空から降ってきたものじゃなくて、自分が欲しいと思ったものを自分で掴みに行けると思うよ。

だいたいさ、12歳なんてまだ自分の欲しいもんもちゃんとわかってないじゃないすか。
彼らはこれから自分にとっての「虹色の羽」を見つけていかないといけないんすよ。

虹色の羽ってなんなんだろうね。
クロス君とルガルガンを通してそんな事を考えました。

 

 

マーシャドーとホウオウは何をしたかったのか(8/20夜・追記)

まあその、マーシャドーは映画的に出さなくちゃいけないノルマの消…ゴフッ。

あ、すいません、これ以上言うとポケモンの概念がない世界に飛ばされかねないのでやめておきます。

個人的には、ポケモンと一緒にいたいかを試す存在なのかなぁ…とか思ってます。

 

というのもですね、ポケモンオタク二十年やってるとですね。
いろいろあるんですよ。
ポケモンを通して友達もたくさんできる。
けど、喧嘩もすれ違いも対立もするし、その中で間違いも起こすわけですよ。
それは相手が悪い場合も、私に原因がある場合もある。
ひどいときゃ絶好、縁切り、忘れたくても忘れらない思い出をこの胸に刻むことになります。
そんな時思っちゃうわけです。

「そもそもポケモンを好きになるべきではなかったのか?」
「私にはポケモンを好きでいる資格があるのか?」 

私はそうやって闇落ちしかけた経験がある。
だから、映画のサトシに共感します。

ほんとね、ドンべこみすると思考が変な方向にいって過去の過去に遡って、そもそもあそこから、とか、最初から間違えていた、とかそういう極端な方向に走り出すんですよ。
だからサトシのあの描写はリアル。

でもね、過去の過去に遡っての否定なんて、現時点の自分の不甲斐なさから目をそらして逃げていることに他ならないんです。
トレーナーが負けた理由をポケモンに求めるのに似ています。

 

サトシがポケモンの世界にいるということ、
あるいは私達がポケモンというジャンルに身を置くということは、
楽しく素晴らしい。
けれどその一方で、すれ違いだの、対立だの、死別だの、取り返しのつかない失敗だのといった苦しみを味わう世界に身を置くという事でもあります。

だったらいっそのこと、ポケモンのいない、ポケモンが生む悲しみのない世界に行くか?
と、マーシャドーは問いかける訳です。

しかし、サトシや私達の答えはやっぱり、

 

そんなのいやだ!  ポケモンと一緒にいるんだ!!!

 

なんですよね。

ごめん!
未熟ですまない、でも頼むから一緒にいてくれ!
というね。

ホウオウが求めている幸せのエネルギー(?)とはまさにそういうものなのではないでしょうか。


友人の考察には「そもそもサトシは選ばれてない」というのがあります。
ホウオウを見た者の中で羽を手に入れたのは運が良かっただけで、たまたまという説です。
私の中ではにわかに信憑性を帯びてきている。
羽を巡って諍いがあり、それらを断罪する一連の過程こそ、儀式であり、通過儀礼であり、想定されたものなのではないか?

 

彼ら(マーシャドーとホウオウ)は
二十年ごとくらいに少年少女たちを試すのですよ。

お前たちはポケモンが好きか?
ポケモンは怖い生き物だよ。
ポケモンと一緒にいることによって
対立が起こるし、死別して悲しむことになるし、挫折を味わうよ。
どうしようもない自分自身と向き合わなくちゃいけないよ、と。
お前達はそれでもポケモンといたいか? と。

 

今回はピカチュウが「すっと一緒にいたいから」って言いますけども、むしろ、こっちかお願いしなくちゃいけないですよ!

 

「頼む! ずっと一緒にいてくれ!」

 

 

 ●まとめ

そんなわけで、よかったです。好きです。

自分にとって、ポケモンという存在がいかにかけがえのないものなのか、それを再認識させてくれた映画だったと思います。

感想書いてて出てきた考察や、見逃したピジョンの確認も含めて、最低もう一回は見にいきたいですね。

 

みんなの感想も見たいからどんどん書いてくれよな!

ピジョンを求めて吉祥寺 …ポケモンキミにきめた! 感想(ネタバレあり)

話題のポケモン映画、キミにきめた!

16日に見てきました。

 

タイムラインを覗いていたら、ピジョン同志であるリスさんと、ポッポクラスタの豆男さんが映画にピジョン出てるか確かめようぜ!とか盛り上がってるじゃないですか。

 

おいなんだよ!

私も混ぜろよ!!!

 

ということでいい歳した大人三人、

吉祥寺のヲデオンに圧倒的主役であるピジョンの存在を確認しにいったのであります!

 

配布ポケモンの資料を見ながら

「サトシのピカチュウとかいらなくね?」

「サトシのピジョンがほしい」

「それ」

とか語ってるいい大人三人。

持ち込みOKの映画館なので、近くの成城石井で小粋に巻きずしなどを買い込み、劇場入りします。

 

まあぶっちゃけ、期待はしてなかったというか

ピジョンは無印のサトシの手持ちではありますが、タケシとカスミが切られてる以上ピジョンレギュラーも期待できまい、ポッポ系統がモブで画面に写れば大勝利!!!

という勝利条件のもと、視聴開始。

 

とか言ってたら

開始しょっぱなからピジョットが飛んだ!

興奮するいい大人三人!

気分はもうこんな感じですよ。

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バカだこいつら!

 

ちなみにサトシがポッポの捕獲を試みたため、ポッポはばっちり写り、その後オニスズメに石をぶつけて例の展開へと移っていくのでした。

 

ちなみに、ピジョンは後半出てきました。

ピジョットと一緒に闇落ちして。

 

私たちの盛り上がりは最高潮に達します。

隣に座ってるリスさんとがっちり握手。

 

やった!

我々は勝利した!

ピジョンクラスタ万歳!

 

きっとこれはあれですよ。時空を超えた逆襲に違いありません。

「オレンジ諸島から帰ったらすぐ迎えにきてやるからな」

果たされなかった約束の物語。

フィルムブックでは台詞が書き換えられてるらしいですが、そんな事は知りませんよ?

ピジョンクラスタは20年経った今でも忘れてないからな?

 

無印サトシが20年迎えに来ない恨みをここで果たすべく、

空を縦横無尽に駆け巡るピジョンピジョットたち!

 

おんどりゃああああああああ!

20年の恨み!

今ここで果たしてくれるううううう!

いけー! やっちまえー!

 

これが大勝利と言えずになんと言うのでしょう!

 

マーシャドーと他のポケモン達の協力もあり、

おかげでサトシは一旦この世から消されました。

 

20年放置したのだから、これくらいの罰はあって然るべきでしょう。

 

20年の時を超えて、

ピジョット放置の罪はやっと断罪されたのです。

 

まあ、この時空の本人に覚えはないでしょうけど、

そんな事は知りません。

 

とにかくピジョンクラスタは大勝利したのです!!!

 

 

こうして。我々はピジョンの偉大さを再確認し、飯食って、鳥グッズあさって、お茶飲んで解散しましたとさ。まったくいいやつらです。

 

いやー、素晴らしい映画でしたね

劇場版ポケットモンスター 

ピジョン 時空を超えた逆襲」!!

 

というわけで、「吉祥寺ピジョン編」はこれにて終了。

ストーリーのまじめな感想はまた今度書きます。

 

 

※ところで後から豆男さんにきいてわかったのですが、中盤のプリンとのバトルの背景にトレーナーと一緒にいるピジョンがいるらしいのですが、すっかり見逃してしまったので二回目に行かなくては…まだまだピジョン修行が足りませんね。

 

 

まじめな感想書きました。

いや、ピジョン超重要事項ですけど。

pijyon.hatenablog.com

即売会の日になると、突如移動不自由になる話。

 

私は同人誌即売会の日になると、突如ハンディキャップを背負う。
なぜなら荷物がくっそ重いからだ。くっそ重いキャリーを引きずっているからだ。

 

タネあかしをすると、即売会にもっていく同人誌を毎回送り忘れて、自力でもっていく事が多いって話。
これに関しては私がだらしないからなんだけど、ここでちょっと興味深い体験ができるので聞いて欲しい。

 

私の同人誌は結構厚い。
具体的に言うと文庫本300Pとかイラスト本100Pとか。
そして、一週間の旅行に荷物を入れられる私のキャリーケースにはその厚い同人誌がギッシリ詰まっているのでくっそ重い。持ちあがらない。

即売会には電車に乗って行くのだが、基本階段は登れないと思ってもらってよい。
下りは無理すればなんとか。
駅内の移動はエレベーター、エスカレーター、スロープに頼る事になる。
すると、いつものルートが使えない事に気が付く。

 

いつもは何にも考えずに登っていく階段が使えない!
最短距離がとれない!
エレベーターはどこだ!
ああ、あそこか! 遠いな!
あとちょっと混んでるな!

 

ショートカットが一切きかない。
ものすごい制約。
階段登れないというだけで、こんなに不便だったのか。
基本駅の構造は「階段が登れる」事が段前提なのだと気が付く。
自由に歩けるときはいくつもあると思っていた道が一個しかない。

そして、


ああ、これって、車椅子の人の移動だわ。

と、ある日私は気が付いた。
これは擬似車椅子体験なんだと。

実際は車椅子よりは選択肢があるのだが、制約の多さは味わえる。

 

そして地上の駅だったらまだいいのだが、地下鉄だとルートが頭に入ってないと詰む。

実際、地下鉄で浅草を目指した際、乗り換えで詰んでしまった。
銀座線に乗り換える際に、階段がバリアーとなって、進む事ができなくなってしまったのだ。
ルートを変えようにも改札を出てしまった後でどうにもならない。
残された選択肢はエスカレーターを使って地上に上がる事のみ。

結局、乗り換えを諦めた私はタクシーを捕まえて会場に行ったのだった。

 

えーと、ちょっとこれは難易度高くないすかね…。
車椅子って毎日こんな感じなんです……?


辛かろうなーと思った。
知らない所でろくに迷う事すらできない。
そもそも移動ができないから。

 

いやそれにつけてもスロープ、エレベーター、エスカレーターのありがたさですよ。
神かよ。

おそらくは階段を登れない人の為に用意されたインフラ。
けどそれは私をも助けてくれるものだった。

もう即売会の日の私は、君たちなしではいきていけない。

 

これを書いたキッカケはもちろんアレ。
誰が悪いとか、行動の賛否自体のコメントは差し控えます。法的に見たらどうなのか? 誰の立場から見たらどうなのか? 皆さん個人個人意見があろうと思います。

 

ただこれだけは言えますよ。
車椅子に優しいインフラは確実に私たちにもやさしいし、すっげー便利です。
車椅子の人の移動上の利益は、普通に歩ける人の利益にもなります。
少なくとも私はそのように思います。

一晩高尾山に籠った話

■■■初めに
最悪の場合、死にますので下記に書いた事は決して真似しないでください。
反省点を踏まえ、初稿からはだいぶ改稿しました

 

これからお話するのは、創作の参考になるだろうと、ホイホイ未知の領域に踏み込み、ひどい目に遭った話である。

何がやりたかったかというと野宿……(のような事)
何をやったかというと一晩山に籠っていた。

結論から言うと、寒い。

ものすごく寒い状態で一夜を過ごす……というハメになった。

 

それは4月下旬、小雨の夜の事、場所は高尾山。
東京都八王子市にある標高599mの山である。

最初にも書いたとおり、登山経験者の皆様から、死ぬぞ! 山なめるな! とお叱りを受けているので決して真似しないでいただきたい。

こうすればよかったという点はまた後で書くので、とりあえずはどんな装備だったか、正直に列挙しておく。
高尾山のホームページを参考にしながら、いそいそ準備を始めたのだが、いろいろ足りていなかった。

<装備&持ち物>
服は三枚着ていた
ウォーキング用の靴(アシックス)
厚手の靴下
雨合羽(上着と下着、フード付き)
マフラー
耳あて
バスタオル1枚
タオル1枚
おにぎり数個
飲み物(ペットボトル3個くらい)
お酒
チョコレート
キャラメル
おやつ少々
ビニールシート(座布団くらいの大きさ)
それらを入れるバッグ

午後も遅くなってから家を出、食料はコンビニで買いそろえる。
高尾山口駅到着したのは夜の19:00頃であった。観光の店々は戸を閉め、人影はほとんど見えない。
山を登り始めたのはそんな頃だった。
この時点で小雨が降っていたので雨具を着てから登ってみる事にした。
(激しい雨だとアウトだったと思うし、たぶん断念したと思う)


登り始めて早くも後悔したのは、懐中電灯無しだった事だ。
言い訳をするなら、一応山から一番、近いコンビニで探したのだがなかった。が、事前に準備すべき装備だったであろう。

暗いし、怖い。とにかく見えない!
ぼんやりとしか見えない。いやまじほとんど見えない。行先とか見えない。
登山道に入ったしょっぱなの恐怖は半端じゃなかった。
でも進んだのはひとえに危険な好奇心というやつだ。

幸いにして高尾山は登山道が舗装されている。
ガードレールがぼんやりと見えたので道はなんとかわかった。
木の輪郭とすぐ先の道がかろうじて薄く明るく見える感じで、たとえて言うなら漫画とかアニメに出てくる悪夢を再現したような感じである。
万一にも急斜面から転げ落ちては大変なので、ゆっくりと道を確認しながらになる。

ちなみにこの時間でも人には時々会った。
下山の人とときどきすれ違う。が、顔とかは見えない。
一回十人くらいの下山集団とすれ違がったのだが、暗闇から無数の懐中電灯が上下しながら迫ってくる様子はなんだか異様だった。
その、言ってみれば火の玉というか百鬼夜行が迫ってくるような感じ。
すれちがいざまに懐中電灯を持つ手より下の下半身とかは見えるのだが、その上が見えない。
もしかすると彼らは死者なのか……?
などといらぬ妄想を膨らませた。

……なんだか右足のつけ根に違和感がある。
変にひねってしまったらしい。
ここで、準備運動するんだったと後悔した。
歩けない事はなかったのでそのまま登山は続行された。
歩き続ければ薬王院に行きつくはずである。
少し歩いては休み、少し歩いては休み、歩き続けるうち、ケーブルカーの降り口までやってきた。

ここまでくると街灯があり、かなり明るくなる。
自販機があるので飲み物も補給可能。初心者に優しい山でよかったと思った。
よもや人工物にここまで安心できるとは。
たこ杉を過ぎると、京王電鉄寄進の灯篭が等間隔に設置された道となり、安心感が増す。
そんなわけで重い足を引きづりながら薬王院に到着した。

山頂に行こうとも思ったのだが、さすがに道が見えなかったし、狭いのでやめておいた。
危険な好奇心に駆られてここまで来たものの、私だって命は惜しい。
ああ、これはやめておいたほうがいいな、せめて明るくなってからだ、というのを直感的に感じて、すぐさま薬王院に引き返した。

おやつを食べてのんびりした後、屋根もあることだし、ここらで雨をしのぎつつ、眠る事に決める。
最初はお堂の床下にもぐりこんだのだが、床の下は吹き抜けである。
雨はしのげるのだが、風が寒くてすぐに断念した。

で、次に選んだのは山門脇である。
ここは一方向は完全に壁なので、床下よりは風が防げ、少し眠る事が出来た。
風を避ける壁の重要性を学んだ一件であった。
つまりテントというのは屋根ももちろん重要なのだが、それ以上に四方の壁こそが重要なのではないかと思うのだ。

で、少しは寝たものの、結局寒くて目を覚ます。
ついた時点ではぽかぽかだった身体も動かさないと冷える。
寒いのでバッグからバスタオルを取り出して腹に巻くのだが一時のしのぎにしかならなかった。繊維の隙間から容赦なく冷気は入り込み、身体を冷やしていく。
雨が降っているのも寒さに拍車をかけている。

無謀だった。
シュラフ(寝袋)必須だった。
せめてスキーウェアのようなものがほしい。

寒さこそが最大の敵だった。
四月だからこの程度で済んでるのであって、冬とか考えたくもない。

ちなみに私の創作とは某RPGの二次であるのだが、明らかにわかった事がある。
冒険を始めたばかりの少年少女が何によって死ぬか、である。
もちろんモンスターにやられる事もあろう。
が、一番多く彼らを殺すのはたぶん「寒さ」だ。
冒険を始めたばかりの彼らの死因の多くは凍死である。
寒さに対する防御を整えないと、死ぬ! 戦う前に。

雨も大敵である。
服にしみ込んだ水分は体の熱を奪っていく。
私の場合は登山の際にかいた汗と、雨で濡れた水分で体を冷やす事になった。
多少、タオルで汗をぬぐったりもしたが、寒い。

今回は中腹に薬王院というお寺があり、屋根があるからまだよいが、本当の意味での大自然が舞台と考えるとぞっとする。
洞窟でもない限り、雨から身を守る方法が少ないからだ。
結局この夜の天気は小雨が続いて、空が明るくなりはじめる頃にはあがったわけだが、時々、雨足の強まるような音がしてドキッとした事を追記しておく。

とにかく寒い。息も白い。
身体を温めるために歩く→ちょっと寝る→寒くて起きる→歩く
その繰り返しである。

チョコをばりばり、おにぎりむしゃむしゃ、お酒も飲んだりして身体を暖めるけど、冷えていく身体と心……
ああ、あったかい食事が食べたい。

何度か場所替えしてみたがやはり短時間しか眠れない。
なぜか時を同じくして境内をうろうろする虫取り青年たちを横目に見ながら、起きては歩き、眠っては歩きを繰り返していた。


(……後になって冷静に考えてみると、
 寒くて起きるのは身体の防御反応であって、
 雪山で寝たら死を意味する……。

 ようするに眠れないというのは
 起きろ! 死ぬな! という事に他ならないのでは……)


キャラメルは気分を変えるのには有効だった。カロリーがとれるのはもちろんだが、とにかくかむものなので気がまぎれるし意識が覚醒しやすい。
チョコレートと並んで推奨されるのはこういう理由もあるのかもしれない。


木々の間から八王子の夜景が見える。
きれいなのだが、明けない夜の象徴のようで寒々しかった。
もしかしたら、夜明けの来ない空間に閉じ込められてしまったのではないか?
そんな妄想を何度かした。

長い夜だった。
日の出が待ち遠しかった。
今何時だろう? 朝はまだか。とにかく寒い。寒いのだ。

夜が明けたら山頂を目指そう。
そんな事を考えていた時期もあった。
が、さすがに体力が限界だと考え、身体を温める事もかねて下山を始めた。
時々ホッホウ、ホッホウとふくろうの声が聞こえていた。

山を下り始めると、まるで夜の結界から出たのかと思うがごとく、空が白み初めた。
チチチ、チチチと次第に小鳥の声が聞こえはじめ、コーラスになってにぎやかになってきた。

ああ、朝だ。
よかった、ちゃんと朝は来たのだ!

空に赤い色が混じり始める。
小鳥の歌を聴きながら下山していくと金毘羅権現のあたりから街を眺望できるところがあった。

そこから見える八王子の空と街の美しい事。
夜景は寒々しい絶望にしか見えなかったが、この風景は私に安堵を与えた。
山の先に緑と建物が交互に見え、次第に建物の割合が多くなる。
空には青い雲がかかっていて、その後ろがオレンジともサーモンピンクともつかない色に染まっている。
ふと、青い雲の隙間から光が漏れる。
昼間の太陽とは違う燃えるような色。
日の出である。
青の雲の後ろ側がいっそう激しく燃えた。
雲の後ろに朝焼けの輝きがあった。
ちなみにスマホの電源が切れてたから、写真はない。


その時点で朝5:30くらいと思われる。
徐々に人が登ってきて「おはようございます」とあいさつをかわした。
おばさんが下りてくる私を見て「早いですね…」と言った。
そりゃ一晩籠ってましたからね……などと思いつつ「あ、はい」と曖昧に返事をする。
というか、山の勾配が思ってたより急で、よくもまぁ夜にこんなところ登っていたものだなぁと、今更ながらドン引きした。

幸いなこ事に高尾山はやさしい山だった。途中にベンチがいくつもあるので、小休止をはさみながらゆっくり下山した。
高尾山口駅に到着したのは6:30頃。
トイレ済まして電車に乗った。爆睡した。

その後、新宿に戻りルノアールホットチョコレートとモーニングサービスのトーストをいただいたが、あったかいもののありがたいこと。
その後二時間ほど座席で眠ってしまった。
なのに「ごゆっくりどうぞ」と温かいお茶を出してくれたルノワールは神だと思う。
結局、日曜日の正午くらいに帰ったが、そのあと思いっきり寝っぱなしで日曜日がつぶれたのだった。



さて、この後私は無謀な登山レポートを書いてタイムラインの友人達から怒られることになり、今の記事に書き直している。

ちがうそうじゃない!
と、突っ込みを受けそう(たぶんうけると思うけど)個人的な反省点をあげておく。

まず持ち物。
持ち込んだものに加えて、以下は必要だったと思う。

・懐中電灯
シュラフ
・折り畳み傘
・替えの靴下(靴もあると尚良いか)
・タオルもう1枚くらい
・カイロ
・防寒にすぐれた上着
・ビニールシート(大きいもの、いざとなったらかぶって雨も避けられるし、防寒になる)
・リュック(バッグだと入りきらないし、背負っていたほうが手が自由になるので、危機回避しやすいだろう)

心得に関しては、これをいうとすべてがダメなような気がするが

・せめて明るいうちに登っておけ
・そもそも夜に登るな(せめて懐中電灯……)
・突然の思いつきで行くな
・詳しい人と一緒に行け。せめてアドバイスを仰いでから。
悪天候時は避ける(あらかじめ天気を調べておく)
・登る前にストレッチしとけ(とくに普段運動してない人は)

・季節は選べ(冬じゃなくてよかった)

あたりだろうか。
これは勢いにまかせてやっちゃったが、やっぱ危なかったよね……。
なんか、もう、ごめんなさい。


後日、やまおとこな某友人には指導をお願いしておきます……。

後で突っ込みをもとに追記するかもしれませんが、とりあえずはここまで。


■■■最後に
三回目だが、今回の登山と野宿は経験者の皆様から、死ぬぞ! 山をなめるな! とお叱りを受けた行為である。最悪死ぬので、決して真似しないでいただきたい。

文字描きさんの表紙の絵を描いてくれる絵師さんいないかな問題

文字描きさんの表紙の絵を描いてくれる絵師さんいないかな問題に関して
私の周りの意見や実際に使える例文を載せました。


毎回言ってるけどさあ、お前文字書きなんだろ?
絵師の一人くらい、文章で口説けよ。

口説くっていっても、普通の文章でいい
・はじめまして、私は〇〇と申します。
・●●さんの事は✖✖で知って、以来ずっとファンです。
特に◆◆のイラストがすごい好きでデスクトップに飾っていて、
~~なところとか~~~なところとかが個人的にツボすぎて
(以下萌え語り、可能な限り)
・実は今度こんな本を出します。~なストーリーで~~が活躍します
・もしご都合が許しましたら 表紙の絵を描いていただきたくてメールしました
・お礼は出来上がった本の進呈になるのですがよろしいでしょうか
(といいつつ可能なら黙って商品券とか包む)
・ご検討いただければ幸いです

 

砂糖水@それダム実行委員会 ‏@sucrose_syrup
表紙絵問題って結局のところ積極的に声かけしていく人勝ちだし、あらゆるものは欲しいと声に出していかないとなかなか手に入らないのである…人はエスパーじゃないから察してなどくれないのだ

 

こま @comattane
自分はやったことないですが面倒なやり取りすっ飛ばして2万円で小説の表紙描いてください、で大体落とせるとおもうんですよ、引き受けてくれたら前金として5千円、最終版の表紙データ納品で残りの1万5千円入金(と言いつつ下絵の時点で1万円入金したり)

 

こぱんだ上等兵go ‏@42cynthia42
「○○様 初めまして、こぱんだと申します。xxのジャンルで小説を書いております。このたび、同人誌を発刊することとなり、○○様へ表紙イラストの作成をお願いできましたらと考えております。表紙とカバー下それぞれ各1枚、文庫本サイズ(数字×数字)、(形式)をメールにてご入稿ただけましたらと考えております。価格は修正のやりとりこみで3万円を希望しております。ご返事をお待ちしております。ご検討のほどどうぞよろしくお願い申し上げます」
でまぁこれでまともな人なら締め切りはいつだとか入稿形式だとか、文字入れとかを聞いてくれると思うのでそう言うところからも発注して大丈夫な人かを探るとか

 

 

ちなみに当方100P越えのイラスト集をアンソロで出しておりますが、pixivで声かけまくって、twitter口説きまくって集めました。

当時の文章載せときますね。

だいたい知り合いの絵師に声かけてるので、はじめましての体ではないですがご参考までに…

 

「イラストアンソロジー参加のお誘い」

こんにちは、No.017です。
ご無沙汰しております。
突然のメッセージ失礼します。

今回メッセージを送りましたのは、ポケモンの同人誌(アンソロジー)への参加のお誘いの為です。
来年3月の春コミを視野に、以下同人誌の発行を目指しています。

誌名:携帯獣民俗図録「フォルクローレ」(同時進行で小説文庫本も企画してます)
仕様:B5横型、オールカラー、80P程度
企画ページ:http://masapoke.sakura.ne.jp/stocon/
発行:2014年3月 HARU COMIC CITY
印刷費:No.017負担
締め切り:2014年1月末頃
テンプレートは企画サイトでダウンロード出来ます。

ポケットモンスターの世界における民俗・文化」をテーマとしたアンソロジーで、
見開きページの片側にイラスト、片側に記事がつく構成となっています。
サンプル:http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?no=3098&reno=3097&oya=3097&mode=msgview
(一部例外あり)

現在、記事の三次募集を行っておりまして、
この人が記事の絵を描いてくれたらいいなぁ、という方に個人的にお声掛けして回っているところです。
すでに80個以上の記事が出ておりますので、もし興味があれば企画ページを覗いてみて下さい。

もし、描いてくださるという場合は、
記事部門【三次応募】の中から描きたい記事の第一希望~三希望くらいをお知らせください。
(◎は絵師さんが決定しています)

もちろん興味の無い場合、お返事は結構です。
ぜひご検討いただけますと幸いです。
(ご質問等もお気軽にどうぞ)

それでは長文失礼致しました。

 

 

 

ちなみに、No.017さんはポケモン二次創作限定・水彩画限定でご相談を受け付けますよ。暇な時期であれば表紙用の絵を承りますよ。興味のある人はお声がけくださいね。

興味のある方はtwitter @pijyon まで。