017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ポケモン民俗妄想(1日8日)

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フローゼル
昔、港町の漁師がツケで飲んでいたが、月末に想定外の金額を請求されて口論になった。毎日来てただろ!と言われて納得いかない漁師が酒場の近くで張っていると漁を手伝わせているフローゼルが酒場に入っていって、世話話をして飲み食いして出て行ったので仰天したという。
今俺のフローゼルが!と酒場に乗り込んで見れば、おや、また一杯飲むのかい?と尋ねられてまたまた仰天した。
そういえばあいつを労っていなかったと反省した漁師は、漁ではフローゼルをよく褒め、酒場に行く時は連れていくようにした。
以後、想定外のツケはなく、漁の成果もよくなったという。

エースバーン
フットボール(サッカー)の原型はルール整備以前、大人数で、暴力あり、破壊あり、隣の町や村のゴールまで集団でボールを持ち込む乱痴気騒ぎであり、しばしば禁止された。ところが禁止した貴族の邸宅にしばしば炎のボールが飛んできて、庭や家を燃やす。犯人が捕まらずに困ったという。
ガラルにおいて、祝祭日とくに告解火曜日に競技は行われ、その中には彼らの連れているポケモンも加わった。当時の記録にはこうある。
昼食をすませると学校の若者は球技に参加するために集まった。町の労働者、年配の市民、父親達もやってきた。そして森からは耳の長い白いポケモンが現れた。
そのポケモンの名前を彼らは知らなかったが、皆、そのポケモンのことはよく知っていた。見事な足さばきてボールを操るその姿に人々は魅了された。
しばしばの禁止にもかかわらず人々からフットボールの情熱は消えなかった。今では世界で愛される競技となっている。

アブソル
何事にも引き際があり、旅のトレーナー引退のきっかけとして、バッジを四つとったらなどかある。昔、ホウエン地方では、野生のアブソルに四回遭遇したら、旅をやめて家業を継がなくてはいけない、というものが存在した。これは警告であり、それを無視すると五体不満足になったり、死に至る。
これにはもちろん、アブソルが災いを連れてくるという俗信からの影響が強いと思われるが、災害をキャッチして人里離れた険しい山などから降りてきているわけなので、あながち間違いとも言えない。
一方、現れたアブソルを捕まえることが出来ればこの警告は解除される、とも言われる。

アーマーガア
長距離を飛べる鳥ポケモンのため、本場ガラル地方以外でも目撃された記録がある。昔、シンオウ地方で目撃された際は、原住民から悪い神がやってきたと恐れられたという。
またそれを数十年前に目撃した多感な青年は「死神に違いないと思いました」と語っている。
「私は人生に絶望していました。もう死ぬしかないなと思って湖に行ったところ、湖の中の島に大きな黒い大きな鳥ポケモンがいるのを見ました。死神に違いないと思いました。もしかすると湖の神様を殺しにきたのかもしれないと。僕はその死神の動向が気になって毎日見に行ったのです」
「死神はある日はビーダルを捕らえ、ある日は一日中羽繕いをしていましたが、湖の神様は無事のように思われました。僕の事にも気がついていたようですが、何をしてくるでもありません。暖かくなってきて、雪が溶け始めると、死神はどこかへ飛んでいき、戻りませんでした」
「死神がいなくなって、僕はこれから何をしようかと考えました。不思議と死ぬことは考えなくなっていました。死にたいという気持ちは死神と一緒に飛んでいってしまったのかもしれません。死神の名前を知ったのはそのずっと後、大人になってからのことでした」

チョンチー
深海に棲んでいるためなかなか釣れないのだが、漁の定置網に触手ごと絡まっていることがあり、モンスターボールで回収され、釣り人がそれを譲り受ける。
「お前のチョンチー釣ったの?」
「いや、網にかかってた」
などと挨拶が交わされるとか。
夜釣りに最適な一匹だが、大事に扱わないと触手の光でプルリルブルンゲルなど、海の幽霊の大群を呼び寄せると言われている。
また地元の人の忠告を無視して禁忌の日に夜釣りをすると手に負えないポケモンを招き寄せてしまうともされる。

ライチュウ
しっぽを地面に刺して放電するのを利用して料理をさせる。
「夜に焚き火を囲んだトレーナーがライチュウのしっぽ放電で芋を焼かせて分けてくれた事があった。これが驚くほどうまい。ライチュウがいいのか、芋がいいのかはわからなかったけど、未だ忘れられない味だ」

シードラ
ある島では子供達は最初のポケモンとしてタッツーを捕まえ、シードラになったら祭りの日にもてなして海に放す。放されたシードラは海底の聖地にたどり着き、キングドラになり、以後、海流を生み、海の恵みを運び、渦潮で島を守ってくれるという。