017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ポケモン小説

焚火とナイフ

時折ぱちぱちと爆ぜる焚火は青年が手に握るモモンを橙に照らしている。藍色の空にはとうに月が昇り、昼間は青く燃えていた山々は黒い輪郭が見えるのみであった。「うまいもんだねえ」 橙に燃える焚火の向こう側、煙が向かう方向で山男が言った。 煙男。焚火…

23時 カフェスペースにて

……いらっしゃい お客さん アローラは いま 23時くつろぎの ひとときを 提供する ポケモンセンター カフェスペースだよさてと お客さん どうしますか?グランブルマウンテンは 198円だね飲んでいくかい?わかりました しばし お待ちを……お待たせ グラン…

ポリゴンD(デリート)

Bの書く文章が好きだった。 アニメが放送されて、ハマった作品があった。それで二次創作漁りをして、Bの文章をたまたま読んだのだ。 だから私が二次創作を始めたのはだいたいBのせい。 それからはとても楽しかった。二次創作友達が増えて、推しカップリング…

電車とポケモントレーナー

●乗り鉄にしてトレーナー あなたは「乗り鉄トレーナー」をご存知だろうか。 世の中には多くの鉄道ファンがいて、電車の撮影が好きな人を撮り鉄、電車に乗るのが好きな人を乗り鉄などと呼んでいる。両者は兼ねることもあるが、今回は主に後者について取り上げ…

クロ(鳥居の向こう応募作)

ニコニコ動画に投稿された動画の一つ、【ポケモン】 みくみくにしてあげる♪ で ミミロップにしてあげる♪ より ●クロ 彼の種族はブラッキーである。 得意な技は「どろぼう」。 いつの頃からかネットで囁かれ始めた都市伝説。 始まりはそんな口上で語られる。 …

黒絵筆のドーブルの話

図工の時間が嫌いだった。 家は貧乏だから僕は絵の具を持っていない。 物のない時代、兄弟の一番上だった僕には兄弟からのお下がりなんてものもなくて、絵を並んで描くような友達もいなかった。 だから写生する絵はいつも鉛筆の黒一色だった。 先生はそれで…

とあるぬいぐるみ店の話

私の地元、ホウエンのとある町のアーケードには地下街がある。学校帰りに時々寄っているのだが、最近そこに気になるお店が出来た。ぬいぐるみの店である。 ガラス越しに中を覗くとたくさんのジュペッタが並んでいる。大小様々で汚しの具合はも色々。ツギハギ…

祖父の友人の話

これは僕の祖父が話してくれた事だ。 昔この島には学校に行ってない子がいた。彼とは船着場や海岸で会った。親はおらず、シャワーズの乳で育ち、魚をとって、時にブースターに焼いて貰って命を繋いでいた。空が赤くなりだすとその姿が変容していき、日が落ち…

夏の終わりに

夏が来ると思い出す。 終わりに咲いた太陽の花。 日差しがこんがり石段を焼いて、蝉の合唱が蒸し暑さに溶けていく。そんな昼下がり、私達はアイスキャンディをかじっていた。境内から見た鳥居が切り取ったのは、空にむくむくと育った入道雲。 売られたバトル…