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017のネタ帳

ポケモンの二次創作ネタなどを思いつくままに書いていきます

一晩高尾山に籠った話

■■■初めに
最悪の場合、死にますので下記に書いた事は決して真似しないでください。
反省点を踏まえ、初稿からはだいぶ改稿しました

 

これからお話するのは、創作の参考になるだろうと、ホイホイ未知の領域に踏み込み、ひどい目に遭った話である。

何がやりたかったかというと野宿……(のような事)
何をやったかというと一晩山に籠っていた。

結論から言うと、寒い。

ものすごく寒い状態で一夜を過ごす……というハメになった。

 

それは4月下旬、小雨の夜の事、場所は高尾山。
東京都八王子市にある標高599mの山である。

最初にも書いたとおり、登山経験者の皆様から、死ぬぞ! 山なめるな! とお叱りを受けているので決して真似しないでいただきたい。

こうすればよかったという点はまた後で書くので、とりあえずはどんな装備だったか、正直に列挙しておく。
高尾山のホームページを参考にしながら、いそいそ準備を始めたのだが、いろいろ足りていなかった。

<装備&持ち物>
服は三枚着ていた
ウォーキング用の靴(アシックス)
厚手の靴下
雨合羽(上着と下着、フード付き)
マフラー
耳あて
バスタオル1枚
タオル1枚
おにぎり数個
飲み物(ペットボトル3個くらい)
お酒
チョコレート
キャラメル
おやつ少々
ビニールシート(座布団くらいの大きさ)
それらを入れるバッグ

午後も遅くなってから家を出、食料はコンビニで買いそろえる。
高尾山口駅到着したのは夜の19:00頃であった。観光の店々は戸を閉め、人影はほとんど見えない。
山を登り始めたのはそんな頃だった。
この時点で小雨が降っていたので雨具を着てから登ってみる事にした。
(激しい雨だとアウトだったと思うし、たぶん断念したと思う)


登り始めて早くも後悔したのは、懐中電灯無しだった事だ。
言い訳をするなら、一応山から一番、近いコンビニで探したのだがなかった。が、事前に準備すべき装備だったであろう。

暗いし、怖い。とにかく見えない!
ぼんやりとしか見えない。いやまじほとんど見えない。行先とか見えない。
登山道に入ったしょっぱなの恐怖は半端じゃなかった。
でも進んだのはひとえに危険な好奇心というやつだ。

幸いにして高尾山は登山道が舗装されている。
ガードレールがぼんやりと見えたので道はなんとかわかった。
木の輪郭とすぐ先の道がかろうじて薄く明るく見える感じで、たとえて言うなら漫画とかアニメに出てくる悪夢を再現したような感じである。
万一にも急斜面から転げ落ちては大変なので、ゆっくりと道を確認しながらになる。

ちなみにこの時間でも人には時々会った。
下山の人とときどきすれ違う。が、顔とかは見えない。
一回十人くらいの下山集団とすれ違がったのだが、暗闇から無数の懐中電灯が上下しながら迫ってくる様子はなんだか異様だった。
その、言ってみれば火の玉というか百鬼夜行が迫ってくるような感じ。
すれちがいざまに懐中電灯を持つ手より下の下半身とかは見えるのだが、その上が見えない。
もしかすると彼らは死者なのか……?
などといらぬ妄想を膨らませた。

……なんだか右足のつけ根に違和感がある。
変にひねってしまったらしい。
ここで、準備運動するんだったと後悔した。
歩けない事はなかったのでそのまま登山は続行された。
歩き続ければ薬王院に行きつくはずである。
少し歩いては休み、少し歩いては休み、歩き続けるうち、ケーブルカーの降り口までやってきた。

ここまでくると街灯があり、かなり明るくなる。
自販機があるので飲み物も補給可能。初心者に優しい山でよかったと思った。
よもや人工物にここまで安心できるとは。
たこ杉を過ぎると、京王電鉄寄進の灯篭が等間隔に設置された道となり、安心感が増す。
そんなわけで重い足を引きづりながら薬王院に到着した。

山頂に行こうとも思ったのだが、さすがに道が見えなかったし、狭いのでやめておいた。
危険な好奇心に駆られてここまで来たものの、私だって命は惜しい。
ああ、これはやめておいたほうがいいな、せめて明るくなってからだ、というのを直感的に感じて、すぐさま薬王院に引き返した。

おやつを食べてのんびりした後、屋根もあることだし、ここらで雨をしのぎつつ、眠る事に決める。
最初はお堂の床下にもぐりこんだのだが、床の下は吹き抜けである。
雨はしのげるのだが、風が寒くてすぐに断念した。

で、次に選んだのは山門脇である。
ここは一方向は完全に壁なので、床下よりは風が防げ、少し眠る事が出来た。
風を避ける壁の重要性を学んだ一件であった。
つまりテントというのは屋根ももちろん重要なのだが、それ以上に四方の壁こそが重要なのではないかと思うのだ。

で、少しは寝たものの、結局寒くて目を覚ます。
ついた時点ではぽかぽかだった身体も動かさないと冷える。
寒いのでバッグからバスタオルを取り出して腹に巻くのだが一時のしのぎにしかならなかった。繊維の隙間から容赦なく冷気は入り込み、身体を冷やしていく。
雨が降っているのも寒さに拍車をかけている。

無謀だった。
シュラフ(寝袋)必須だった。
せめてスキーウェアのようなものがほしい。

寒さこそが最大の敵だった。
四月だからこの程度で済んでるのであって、冬とか考えたくもない。

ちなみに私の創作とは某RPGの二次であるのだが、明らかにわかった事がある。
冒険を始めたばかりの少年少女が何によって死ぬか、である。
もちろんモンスターにやられる事もあろう。
が、一番多く彼らを殺すのはたぶん「寒さ」だ。
冒険を始めたばかりの彼らの死因の多くは凍死である。
寒さに対する防御を整えないと、死ぬ! 戦う前に。

雨も大敵である。
服にしみ込んだ水分は体の熱を奪っていく。
私の場合は登山の際にかいた汗と、雨で濡れた水分で体を冷やす事になった。
多少、タオルで汗をぬぐったりもしたが、寒い。

今回は中腹に薬王院というお寺があり、屋根があるからまだよいが、本当の意味での大自然が舞台と考えるとぞっとする。
洞窟でもない限り、雨から身を守る方法が少ないからだ。
結局この夜の天気は小雨が続いて、空が明るくなりはじめる頃にはあがったわけだが、時々、雨足の強まるような音がしてドキッとした事を追記しておく。

とにかく寒い。息も白い。
身体を温めるために歩く→ちょっと寝る→寒くて起きる→歩く
その繰り返しである。

チョコをばりばり、おにぎりむしゃむしゃ、お酒も飲んだりして身体を暖めるけど、冷えていく身体と心……
ああ、あったかい食事が食べたい。

何度か場所替えしてみたがやはり短時間しか眠れない。
なぜか時を同じくして境内をうろうろする虫取り青年たちを横目に見ながら、起きては歩き、眠っては歩きを繰り返していた。


(……後になって冷静に考えてみると、
 寒くて起きるのは身体の防御反応であって、
 雪山で寝たら死を意味する……。

 ようするに眠れないというのは
 起きろ! 死ぬな! という事に他ならないのでは……)


キャラメルは気分を変えるのには有効だった。カロリーがとれるのはもちろんだが、とにかくかむものなので気がまぎれるし意識が覚醒しやすい。
チョコレートと並んで推奨されるのはこういう理由もあるのかもしれない。


木々の間から八王子の夜景が見える。
きれいなのだが、明けない夜の象徴のようで寒々しかった。
もしかしたら、夜明けの来ない空間に閉じ込められてしまったのではないか?
そんな妄想を何度かした。

長い夜だった。
日の出が待ち遠しかった。
今何時だろう? 朝はまだか。とにかく寒い。寒いのだ。

夜が明けたら山頂を目指そう。
そんな事を考えていた時期もあった。
が、さすがに体力が限界だと考え、身体を温める事もかねて下山を始めた。
時々ホッホウ、ホッホウとふくろうの声が聞こえていた。

山を下り始めると、まるで夜の結界から出たのかと思うがごとく、空が白み初めた。
チチチ、チチチと次第に小鳥の声が聞こえはじめ、コーラスになってにぎやかになってきた。

ああ、朝だ。
よかった、ちゃんと朝は来たのだ!

空に赤い色が混じり始める。
小鳥の歌を聴きながら下山していくと金毘羅権現のあたりから街を眺望できるところがあった。

そこから見える八王子の空と街の美しい事。
夜景は寒々しい絶望にしか見えなかったが、この風景は私に安堵を与えた。
山の先に緑と建物が交互に見え、次第に建物の割合が多くなる。
空には青い雲がかかっていて、その後ろがオレンジともサーモンピンクともつかない色に染まっている。
ふと、青い雲の隙間から光が漏れる。
昼間の太陽とは違う燃えるような色。
日の出である。
青の雲の後ろ側がいっそう激しく燃えた。
雲の後ろに朝焼けの輝きがあった。
ちなみにスマホの電源が切れてたから、写真はない。


その時点で朝5:30くらいと思われる。
徐々に人が登ってきて「おはようございます」とあいさつをかわした。
おばさんが下りてくる私を見て「早いですね…」と言った。
そりゃ一晩籠ってましたからね……などと思いつつ「あ、はい」と曖昧に返事をする。
というか、山の勾配が思ってたより急で、よくもまぁ夜にこんなところ登っていたものだなぁと、今更ながらドン引きした。

幸いなこ事に高尾山はやさしい山だった。途中にベンチがいくつもあるので、小休止をはさみながらゆっくり下山した。
高尾山口駅に到着したのは6:30頃。
トイレ済まして電車に乗った。爆睡した。

その後、新宿に戻りルノアールホットチョコレートとモーニングサービスのトーストをいただいたが、あったかいもののありがたいこと。
その後二時間ほど座席で眠ってしまった。
なのに「ごゆっくりどうぞ」と温かいお茶を出してくれたルノワールは神だと思う。
結局、日曜日の正午くらいに帰ったが、そのあと思いっきり寝っぱなしで日曜日がつぶれたのだった。



さて、この後私は無謀な登山レポートを書いてタイムラインの友人達から怒られることになり、今の記事に書き直している。

ちがうそうじゃない!
と、突っ込みを受けそう(たぶんうけると思うけど)個人的な反省点をあげておく。

まず持ち物。
持ち込んだものに加えて、以下は必要だったと思う。

・懐中電灯
シュラフ
・折り畳み傘
・替えの靴下(靴もあると尚良いか)
・タオルもう1枚くらい
・カイロ
・防寒にすぐれた上着
・ビニールシート(大きいもの、いざとなったらかぶって雨も避けられるし、防寒になる)
・リュック(バッグだと入りきらないし、背負っていたほうが手が自由になるので、危機回避しやすいだろう)

心得に関しては、これをいうとすべてがダメなような気がするが

・せめて明るいうちに登っておけ
・そもそも夜に登るな(せめて懐中電灯……)
・突然の思いつきで行くな
・詳しい人と一緒に行け。せめてアドバイスを仰いでから。
・悪天候時は避ける(あらかじめ天気を調べておく)
・登る前にストレッチしとけ(とくに普段運動してない人は)

・季節は選べ(冬じゃなくてよかった)

あたりだろうか。
これは勢いにまかせてやっちゃったが、やっぱ危なかったよね……。
なんか、もう、ごめんなさい。


後日、やまおとこな某友人には指導をお願いしておきます……。

後で突っ込みをもとに追記するかもしれませんが、とりあえずはここまで。


■■■最後に
三回目だが、今回の登山と野宿は経験者の皆様から、死ぬぞ! 山をなめるな! とお叱りを受けた行為である。最悪死ぬので、決して真似しないでいただきたい。