017のネタ帳

ポケモン二次創作ネタとか。

ポケモン民俗妄想まとめ(ゲンガー・フエンせんべいなど)

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twitter不定期開催するポケモン民俗妄想まとめです。リプライされたポケモン名に対し、妄想していますが、今回はポケモン名以外のリクエストも出ました。

 

サザンドラ

その強さやビジュアルから西欧では紋章に採用されたが、紋章を頂く家には不穏な話が多い。家長が暴食の果てに領地の娘を攫って度々食っていたとか、戦で負けた国の建物を徹底的に破壊し尽くすとか、サザンドラの生態を思わせる逸話が付随して回り、いつしか敬遠されるようになったという。
サザンドラ自身も伝説には事欠かない。多くの伝説で英雄が倒すのはこのサザンドラであり、英雄ジークフリートサザンドラの血を浴びて不死身となった。また現在のサザンドラにはない特徴が付されている事も多く、山のように巨大であったり、飛べないが、首の数がやたらと多かったりした。
伝説にある蛮族の長が切り札としてサザンドラを従わせているのは定番で、そのサザンドラには通常は中心に一つあるだけのはずの大きな首が三つ生えていて、三体分の破壊力を持っていたとされる。が、これは伝説におけるサザンドラの標準であった。今の姿は力を削がれた姿であるとされる。
今のような姿になったのは、創造主より遣わされた首にリボンのあるポケモンが、両端の首を絞め上げ、切り落としてしまった為であるという。そのためサザンドラは前足を変化させて両端の首にしたのだという。
「神様、あまりにサザンドラが強すぎます」
「大丈夫、イーブイの進化系を増やしといた」


ネッコアラ

昔、アローラのある島の王様が妻の不貞を目撃した。もうこの世のものを見ることが嫌になってしまった王様はカプに頼んで眠りながらその寝相で政務をこなすようになったという。王様は次第に縮んでいき、ネッコアラになってしまったという。ネッコアラの根っこは元々は王様愛用の枕である。


メリープ

古くから人と暮らしていたポケモンで毛と肉が重宝された。昔の飼育法では毛の生え変わる夏にしか毛をとることができなかったが、栄養状態を良くして、年に二回三回ととれるように飼育技術を向上させていった。進化されると困るので、放牧地帯の一帯に大きな変わらずの石を設置するなどした。
古代の王国のいくつかはメリープの毛で富を築き栄えたといわれ、メリープの飼育技術の発展させることは、国家を発展させることだった。メリープは富の象徴であり、神話のでは黄金のメリープが登場する。羊飼いが手塩にかけたメリープの体毛をまさぐると中から黄金が出てきたといった類の民話もある。


ゲンガー

昔、「ゆきやまのゲンガー」という絵本が刊行されたが、読んだ後に子供が朝まで寒さを訴えるとか、内容が怖すぎてひきつけを起こすとかの苦情が相次いで一ヶ月で発禁になった。ところが今度は別の絵本の白の色が多いページを開いたままにするとゲンガーが顔を出すと噂されるようになった。
絵本から顔を出すゲンガーは白い色違いのメガゲンガーであり、ゆきやまのゲンガーに出てくるゲンガーもそれである。目が合うと絵本の中に連れ去られる、といわれている。ゲンガーのトレーナーはこの世を去っており、新たに自分に相応しい人間を探しているのだ、というのは元の絵本の設定だが果たして。


フエンせんべい

某年2月4日、「煙突山煎餅本舗」(フエンタウン)が、「富煙米菓本店」(フエンタウン)を相手取り、不正競争防止法に基づいての訴訟をキンセツ地方裁判所に起こした。両者はいわゆるフエンせんべいを製造するフエンタウンの老舗菓子店であり、訴訟は町の注目を集めている。
「煙突山煎餅本舗」の主張は、「富煙米菓本店」が十年ほど前から、ホームページ上などで創業××年、今のフエンせんべいの原型を開発、以来、三百五十年余りに渡り、せんべいを製造し、人々とポケモンに愛されていますなどと、あたかも本家本元であるかのように記載し、当社ブランドを傷つけたというもの。
「煙突山煎餅本舗」は掲載の差し止めおよび損害賠償として1700万円の支払いを求めており、「富煙米菓本店」と火花を散らしている。地元ではカゼノの高級自転車が17台も欲しいのか!とか、どっちかが本家本元かはポケモンバトルで決めるべき、どっちが勝つか賭けようなどと盛り上がっている。
地元の声
「本家争いなんて不毛」(土産物店店員)
「なんで訴訟なんだ。温泉に浸かって裸で話し合うべき」(温泉宿経営)
「煙突本舗はブーバーで焼いてて、富煙本店はコータスで焼いてるんだよ」(煎餅マニア・自称)
「創業は新しいけど、うちが一番美味い。結局ブースターが一番強くてかっこよくてかわいいんだよね」(煎餅協同組合加盟の煎餅会社社長)


ハハコモリ

布を与えると勝手に色々作って同居のポケモンをおくるみにしてしまうが、白い布のみを与えてはいけない、といわれている。白い布で死装束を作ってしまうためである。死装束でおくるみされたポケモンは進化を経ることなく早世する、という。白い布のほかに色々与えておけば問題ないという。

 

ハハコモリに巨大な人間おくるみを作ってもらい、その中で眠りにつくこと百年、人間をやめた話とか面白いかも!

ツイッター時事ネタからポケ妄想してみた結果。

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空にウルトラホールの穴があき、そこから真っ赤のマッシブーンが出てくる…これは暗喩。そんな事を考えているNo.017さんです。こんにちは。

GW前をいかがお過ごしでしょうか。今日は日常生活やらニュースから思いついたポケモン世界のお話をしたいと思います。


ポケモン新作発表!ガラル地方雑感。

・ガラル地方とカロス地方と昔ドンパチ戦争やってたっぽい。旗を振った乙女がいて、処刑したりした。私は詳しいんだ。
・四天王クラスになると女王からサーの称号貰えそう。バッジが勲章のような感じ。
・鉄道に隠し通路がある。魔法の国にいけるやつ。
・カロス人、ガラル人に対していろいろあれなので、ポケモンにバトルすると、わかったらさっさとおっちね! ライミー!!! とか言ったりする。


小説のネタにと本を開いたら、本に挟まったまま令和にジャンプせんとする昭和のアンケートハガキ(約30年前)が出てきた。

古本屋で昔の紙の分厚いポケモン図鑑を買ったのだが、真ん中のページのあたりで謎の栞が挟まっていた。色は暗い夜の色で、形は三方に角のある大きな葉っぱのような…
ふと、古本屋の助手のゴーストが片手なのを思い出して届けに行った。十年前から腕が行方不明だったらしい。
久々に両腕になったゴーストはしばらく挟まっていたほうの腕をひらひらさせていたけど、最近は徐々に厚みが戻ってきたみたいだ。


ノートルダム大聖堂から出火。

ポケモン世界のお寺、しょっちゅう燃えてそう。焼き討ち実行の障害が少ないし。
ただ消火部隊も充実していて、燃えづらい素材を採用する事でポケモンによる消火が間に合うようにある程度はしてるのかもしれない。寺の消失を泡で防いだというクラブ達の話は有名。
マダツボミの塔から出火、9年ぶり○○回目。
住職の話「よく出火しなかったほうだと思う。次は10年持つようにしたい」
スズの塔とかも例のホウオウの件だけでなくて、実は何回か燃えて再建しているのでは。


The ACT という実話を元にしたドラマのツイートを見て。

あなたは身体が弱いし病気なのよ。旅なんてしたら身体が持たないわ。トレーナーなんかならずに家にいなさいね…って思い込まされた子供がいつしか母親の嘘に気づき、秘密裏に手に入れたぬしポケモン的なので母親を殺害し旅に出る猟奇的ストーリー向こうの世界ではわりとありそうだと思った。


かなまら祭に行く。チンコのお面で頭からチンコ生やした外国人とチンコの形をした飴を舐める外国人(男女共に)がたくさん通る。

ポケモンの世界には、金色の玉の形をしてて皿に乗って二つ出てきて、二つに割って中から極上の白あんが出てくるお菓子あるでしょう? あるでしょう?
地域によっては筒状の焼き菓子(とっても甘くて美味しいの)を挟むようにしてきんのたまをの形をした最中を出してくることもありますね。若い女性に大人気です。
そしてこの理想をかなり近い感じで体現しているのがシュークリームではないかときうことに気づいついてしまった…
シュークリーム…きんのたま……

(その1週間前くらいの会話)
逆行さん「ヤドンのしっぽを食べる人と、ヤドンのちんぽを食べる人って、どっちの方がいけない人なんだろう」
レイコさん「実在するカメの雄は前者の中に後者を収納しているので……」
No.017「良いことを教えてやろう。あのしっぽは再生する…切られても切られても再生するチン…しっぽを見た昔の人々は大きなチン…しっぽの木像を作り、祭りの日に神輿にしてわっしょいしたり、チン…しっぽの形の飴を作って売って、しゃぶったりしたそうな。現在でも続くかなまら祭である」


山伏が教える山歩きのコツ!! というツイートを見て。

歩き巫女とかも優れたポケモントレーナーだったのだ。多分。昔は珍しかった交換進化のポケモンをつれていたかも。
「カカカカ!女と侮ったか!こいつは山伏と交換した岩蛇が化けおった鋼の蛇よ! 貴様の獣では傷一つつけられんのう?」
交換によって進化するポケモンは各地を歩き回る修験者の間では経験的に知られており、彼らは定期的に寺社に集まってポケモン交換の儀を催したと言われておるんじゃ。
岩系やゴースト系など、交換によって進化する種には長生きする者も多く、交換や死別で何人かの主人に仕えたポケモンもいた。そんなポケモン視点から描かれた放浪記が古典にも残されている。山や道で行き倒れだ者を弔った者が、その者が持っていたポケモンの所有権を得るのは暗黙のルールでもあった。
逆に弔いをせずに所持品だけを奪い取ろうとするものは主人の懐の瓢箪に入っていたポケモンに惨殺されることもあったという。主人の亡骸でもってポケモンは通りがかる者たちを試したのである。行き倒れた者は弔うというのは、身の安全を確保し、平穏に利益を得るという振る舞いでもあった。
巫女や旅芸人、修験者などによって形式や品物の違いはあるが、ポケモンの入っているであろう容れ物と交換に、亡骸を埋めた場所にきのみを置いたり、埋めたりすることも多かった。弔いの意味はもちろんとして、交換らしい格好をとることにより、それによる進化の誘発を狙ったものであるかもしれない。


「初めて○○する人へ」

初めてポケモン小説を書く人へ。

・チャンピオンをチャンポンと書くな
・それは食べ物
ポケモンの覚える技の間違いに注意
・でも小説的なこじつけも楽しい
・チャンピオンをチャンピョンと書くな

いいか! 最強のトレーナーはチャンピオンだ!
チャンポン でも チャンピョン でもないからな!

やおいちなみ氏「チャンポンポケモンリーグセキエイこうげん店…?」
あきはばら博士氏「店名はリーガーハットですね。」

野菜たっぷりチャンポンドラゴン盛りで!

 


…ろくでもないネタばかり妄想の材料にしてしまったので、もう少しポケモンファンっぽい事も言いますね。

 

令和の件。

令和生まれのピジョン
令和に進化したピジョン
令和に捕まえたピジョン
令和に描いたピジョン
令和になってもピジョンが好き。

新宿二丁目で飲んでたら、のどかなマサラタウンにさよならバイバイした話

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17日(水)、変な同人誌を作ってるやつがいるらしいという噂が立って呼び出されて新宿二丁目飲んでた。統一地方選が近いのか若々しい女性候補選挙カーが通って、おー華やかだなぁと思っていたら選挙カーから男の声で「本人です」という声が聞こえて、地域性をふんだんに感じつつ、鶏料理の店へ入る。待っていると私を呼び出した二人がやってきて乾杯となった。

そして鶏の心臓をむしゃむしゃしながら、ポケモンの世界について話していたら、唐突にマサラタウンの闇が暴かれてしまった。

「サトシ(レッド)のお父さんてどうしてるの?」
「旅に出たまま行方不明らしいです」

「それってオーキド博士が父親なんじゃないの?」

な、なんだってー!?

そもそも、携帯獣つぶやき考の話題が間違いの始まりだった。
トレーナーの婚活などポケモン世界のシビアな面などを語り始めたところ、
「トレーナーって賞金で生計を立ててるの?」という質問が。

「行く町々で短期バイトとかしてるんじゃないですか? ポケセンで斡旋してて」
ポケモンいっぱいいると餌代が大変なんじゃない?」
「サトシの場合はオーキド研究所に預けてるんですよ。ケンタロスは30匹います」
「実家が太いってやつじゃん!」

ここで一同大爆笑。
そう、普通のトレーナーがポケモン少ししか持ってないのはそれが理由だという説もある。(ゲームのボックスも全員が使えるとは限らないし)
が、それで疑惑浮上したのだ。
「じゃあサトシが博士の庇護を受けられるのはなぜ?」と。

サトシの父親がオーキド博士であるとするとすべての説明が…おい、やめろ。

「ところでサトシのお母さんて何してるの?」
「(小説版の設定だと)宿かなんかやってたはず」
「そのお金博士が出してるんじゃ」
「やめてー! サトシとシゲルの関係がややこしくなるから!」

しかしそう考えると、赤緑でポケモンを探しにいこうとレッド(アニメのサトシの原型)が草むらに入ろうとした時、「おーい! 草むらにはいっちゃいかん!」と呼び止めた博士に妙なリアリティがある。しかもその足で研究所に連れて行き、ポケモンまで与えて……そしてクリーンがずるい俺にもくれよ、と…あっ察し!
グリーンお前…

ああ、そうするとグリーンが行く先行く先でレッドにつっかかってきたのはそういう……お前は語られずともすべてを理解し……いや、むしろマサラタウンでは公然の秘密だ。レッドは戸籍上は私生児で一人親だからと後ろ指を指され、そんなレッドを博士は前から気にかけていて……
「ひとり親の子なんかと付き合っちゃだめよ」というグリーンの母(妄想)。
その母親の態度や周囲の態度から彼は察して……

それになんというか、オーキド博士って身内には厳しいけど、レッドには甘そうじゃないですか。きっとグリーンにはオーキド家にふさわしい振る舞いを求めてそう。相対的にレッドには甘くなる。

ああ、なんてことだ。それでグリーンは博士に認められようとあんなに先回りしてレッドより先にジムバッジをとり、チャンピオンにまでなったというのに、レッドに敗れポケモンへの愛情がないのだと博士に罵られ、博士の愛もレッドに……
報われねえ。報われねぇよ。

「そういえばオーキド博士の資金源ってなんなんだろうね?」
「税金とかじゃないですか?(トレーナーの育成枠から出てる)」
「パテント(特許)じゃない?モンスターボールの、カチッと開閉する機構かなんかの押さえてるんだよ」
「二次創作だとリーグ初代チャンピオンというのもありますね」

おそらくポケモンバトルというスポーツは全世界的に、ブラジルのサッカー、インドのクリケットみたいな感じなんだろう。(ブラジルでは車がサッカー少年を避ける)中継され放映料などがリーグの収入。ほかのスポーツもあるはあるがかなりマイナーである。
カロスのチャンピオン、カルネもリーグチャンピオンというツテを利用し女優デビューしたのではないだろうか? ポケモンバトルが強い事であらゆるコネができるのがあの世界ッ!

「いずれにしろ(オーキド博士は)リーグの黎明期に関わってる有力者ですね」
「地元の名士か。地元の名士なら他に女くらいつくるよね。田舎なら尚更」
「うわああ!(顔を覆う)」
「田舎って人間関係が濃いからね」

ポケモンファンをやって幾星霜、こうして、私の中ののどかなマサラタウンは今日で終わってしまった。
マサラタウンにさよならバイバイ。


そうして話はさらにディープな方向に。

「あのさ、根本的な事を聞いてもいいかな?」
「なんでしょう」

「あの世界の人間ってそもそも人間なの?」

……。

「たしかに我々より圧倒的に強いです。ポケモンの技を受けても平気だし、スカートで吹雪の中走り回るし、水圧をものともせずにダイビングするし…」
「一度滅びたんじゃない?」
「アポカリプス後の世界なのかも」
「そういえば赤緑では現存の生物が描かれてたのにだんだん消えていったのは植えつけられた記憶の…生物自体が絶滅したのかも。滅びた後で生物を再現しようと考えた。星にやってきた宇宙人が彼らの技術で再現した生物がポケモン…」
「滅びてから数万年後の世界」
「インドぞうが二秒で倒れるってさ、あれ、ファンタジーでいう、ドラゴンを一撃で倒すとか、そういう系の基準なんだと思うよ」

全くなんて日だ!
今日は平日だぞ!
これだから田舎ってやつは!(マサラタウンに対する深刻な風評被害
レッドはグリーンの叔父ですし、ポケモン界は宇宙人の壮大な実験。
今夜からそうなったし、鶏の心臓はおいしかったです。

創作における制約の有効性と、ルールとしての規制

文章の掃出し欲が高まったのでまとめておく。

楠本まき先生のハフィントンポスト記事が話題の様だ。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5cab1d5be4b047edf95d101e?ncid

これに対する私の立場は以下の2点である。

ジェンダーバイアスに関するガイドラインを作る→反対
●先生の語る創作の方法論→有用

 


ジェンダーバイアスに関するガイドライン私見

なんで、自分がかつてタバコ描写で規制されたにも関わらず、そういうルールを設けようとするんだろうか。訳が分からない。

そして、ジェンダーガイドラインの件を無視すれば、むしろ「創作論としては結構大事なこと言ってる」と感じるだけに、ガイドラインの件が強烈過ぎて、打ち消されちゃってる点は大変残念な事である。

・登場キャラクターがその格好をしてる根拠は何?
・どう考えてその表現を選んだの?
・特に何も考えないで「なんとなく」そう表現していない? それって表現として真摯なの?

というね。これを追求するのは結構大事だと私は思うよ。

先生の創作姿勢であるとか、美学とかはぜひ後続の少女漫画家には学んでいただきたいと思う。ジェンダーバイアスガイドラインだけはまったく賛成できないけどね。

そもそも、なぜ編集が十分に考えてないと不満を持っているのに、ガイドライン導入されたらみんなもっとちゃんと考えて真摯になると思っているのか。楽観的に過ぎると思う。

先生も不満に思ってらっしゃる編集の技量が十分でないという現状。その環境で「ジェンダーバイアスに関するガイドライン」なんか採用したら、どうなるか想像してみて欲しい。タバコ描写の時のように機械的に「女の子がこれこれするのはジェンダーバイアスだから、出しちゃダメ」って言われるに決まってるじゃないですか。もちろん先生はこう反論なさる、「たとえばあえて対比のためにステレオタイプ的女性像を出したのだとしたらその趣旨を説明しろ」とね。でもタバコ描写で自身が拘る表現の為に戦われ、結果として雑誌上では敗北された(単行本では許された)のが先生でしょう。

それを、先生でさえ無理だったものを戦って勝ち取れって、どんだけ後続の方たちにコストを課すつもりなんだろうか。しかも売れないうちは載せる側のほうが強いわけでね。

そもそも女の子がとる行動かにしたって、時代によって、珍しいか、一般的なんて変わっていくんですよ。今は新たな女性の姿でも十年後にはそれがマジョリティーになってバイアスになっているかもしれないんですよ。

編集がとある表現に対し、それは考察が甘いんじゃないの?とか、どうしてなぜこの描写が必要なのか、もっとこうしたらいいんじゃないかってアドバイスするだけの技量を持つことと、「こういうのはやめておこう」ってガイドラインを設定することって、めちゃくちゃ相性悪くないですかね。

そういうのにこだわったブランドを立ち上げて、方針に賛同した漫画家を集めてやる分にはいいんじゃん? とは思うけどね。それは雑誌の売りになるので。



●創作においての制約の有効性

楠本先生の発想は業界全体に適用するならば全力でボコボコ案件なんだけど、ごく狭い限定範囲内で、期間を決めてやる分にはなかなか有効な方法論でもあったりする。というのも、縛りのない自由な状態だと人は「いつもの」をやってしまうからなんだよね。

なので「いつもの」をあえて禁止することで「ならばこんなのはどうか」というのが見えてくる事はありえる。最善に解釈するならば先生もこのへんが言いたいんじゃないかなと思う。

かつて私が絵や小説のコンテストをやった時、お題を設定したけど、それもその方法論なんだよね。完全に自由だとかえって何していいかわからないってのはよくある事だ。

「自由」は創作の豊かさを担保するのに必要不可欠なものであると同時に、ある程度自分を客観視して、コントロールできる状態になければ、かえって自分の枠内に閉じこもって不自由になるものでもあると思う。

だから創作方法論としては「制限・禁止」ってありなんです。
それを自分に課す分には。
(あるいは特定のテーマがある雑誌単位で)

で、ここが大事なんだけど、自分の枠内に閉じこもる自由だってあるんです。それは言い換えれば作家のスタイルや味という事で、それを制約すべきではないと私は思う。

そして創作論としての制限禁止のノウハウの有用性と、表現規制を混同してはまずい。ポリコレやソ連みたいな制約下でもいい作品は作れる、という風に。そりゃさまざまに回避できる能力を持つ表現強者ならなんとかなるかもしれませんがね。表現は技術的に巧みな強者のみがやることを許されるなんて世界、私は嫌ですよ。誰がどうやって制限を課すのか?というのには要注意。制約を決めるのはなるべく自身であって欲しいよ。

先生の失敗はガイドラインに範囲と期限を設定せず、全体にかけようと言った事。(あるいは言葉が不足していた事)

先生が記事で語った美学に基づいて独自にブランドを作るなら全然推せるんだよね。楠本先生のすべきは、自身がお持ちの創作の方法論を選択肢の一つとして編集や後続に伝えていく事であって、ガイドラインを敷いて他者に課すことではないと思う。

「少女漫画はもっと少女の考え方や生き方を自由にするものであるべき」なら、方法は選びましょうよ。

読むと夢と希望が湧いてくる。
そんな漫画が今後もいっぱい出てくるといいですね。

2/2 ポケモン民俗妄想

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デデンネ

 デデンネがヒゲを通して電波、電気の類を仲間同士の情報伝達に使うことは、その呼称がなんであれ古くから経験的に知られていた。それらの力が集まったものが雷である、ということも昔の人々は感覚的に判っていたのだろう。空に雷が繰り返し轟く事をデデンネの口喧嘩と表現している。
 やがて科学者たちはデデンネの情報伝達を研究し、機材などを用い再現しようとした。これらの試みは電報、電話などの電信技術の発展として花開いていく。電話の開発者であるベルは新聞社のインタビューに応え、「我々はやっとデデンネに追いついたのです」と述べたと言われる。


ポリゴン2

 ポリゴンやポリゴン2は現代になって開発、アップデートされたはずなのだが、古文書や遺跡の石板、陶器などに似た姿やシルエットが見られる事がある。多くは愉快犯で捏造なのだが、一部は年代的にも本物があって、偶然の一致なのか、普遍的デザインなのか、考古学者の間で議論の的になる。
 陶器で似ているとされるのは圧倒的にポリゴン2である。品目として多いのはポケモンを模した水差し、急須だ。開発以前は抽象化したオニドリルスワンナとされていたが、ポリゴン2が開発されてからは、「ポリゴン2だろ」「どう見てもポリゴン2」などと博物館の展示品にツッコミが入るようになった。
 初めは戸惑いを見せていた博物館学芸員だったが、最近は気をよくして「江戸時代の名工が作ったポリゴン2の急須、ぜひ本物を見に来て」とアピールし始めた。
「苦情? シルフにはあらかじめ相談してますから大丈夫。パンフや展示品に解説にも、ポリゴン2シルフカンパニー登録商標ですと入れてますよ」


バンギラス

 わが国では古来より修験者は鉱山師を兼ねていた。修行で山を巡る傍ら、鉱山となりえる山を探していたのである。彼らは一定の距離を置きつつ、バンギラスを追って移動した。バンギラスが地響きを轟かせ、山が地面が割れる時、鉱山か否かを見抜く指標の一つになった為だ。
 ひとたび鉱山が開くと鉱夫達が集まって集落を形成し、鉱石の採掘にあたった。鉱夫は小柄な者が多かった。狭い炭鉱の穴の中を掘り進むには身体が小さいほうが都合がよかった為だ。その姿は土を食べ地中を掘り進むヨーギラスのようでもあり、鉱夫が穴の中で死ぬとヨーギラスが生まれるのだとも伝わっている。


ゲコガシラ

 ゲコガシラは水手裏剣を投げるために石を投げ修行しているが、時々生息地に入ってくる人がその的になることもあり、泡がついついるのですぐにそれと分かる。泡の石を当てられることは不吉とされ、よくない事が起きるという。そんな時は石を当てられた部分を藁の人形で撫で、川に流す。

1/28ポケモン民俗妄想

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ベトベトン

 死んだポケモンの事が忘れられないなら、そのポケモンが入っていたモンスターボールをヘドロの海に投げ捨てると良い。魂ごとボールを取り込んだヘドロがベトベトンになって会いに来る、という。
 行う人は大変少ないけど、僕はそうして今も彼女と一緒だと理科系の男が話してくれた事がある。
「元のポケモンはなんだったの?」
「さあ、それは聞き忘れた」


アブリー

 アローラの島にある期間は入ってはいけないという花園がある。昔、禁を破って花を摘みに村の娘が入ってしまった時、オーラを察知したアブリー達がわらわら集まってきて、大群となって娘に覆い被さり、娘は花粉だらけにされてしまった。
 やがて娘は身ごもってアブリーと人とのあいの子を産んだ。その姿はアブリボンにそっくりで、アブリー達に可愛がられたという。今、アブリー達がアブリボンに進化するようになったのは、生まれたあいの子と契ることで人の血を取り込んだからなのだという。


オニシズクモ

 大事なものは水泡の中にしまうというオニシズクモはその容姿と大きさから、様々な恐ろしい伝説を生んだ。人間の頭蓋骨を水泡の中に収集している人喰いオニシズクモの話は有名である。また、トレーナーがオニシズクモを遺して世を去った場合、水泡に亡骸をしまいにくる、とも言われる。


エネコとねこのて

 トレーナーの手持ちのポケモンの技を借りてきて自分の技として使う、ねこのてという変わった技が使える。これは先祖代々の親のエネコロロが自分の寝床を他のポケモンに譲る事で、ポケモン達にある種の貸しを作っているからである、という言い伝えがホウエンにある。
 ねこのてに関する言い伝えはねこポケモンによって様々で、上方(ジョウト地方の一部)では、ニャースはあらゆるポケモンに金を貸しているために利子を大目にみるのを条件にあらゆるポケモンの技を借りられるのだという。やはり世の中はねこにこばんなのだ。

コミケに行くか行かざるべきか

詳細を知らない方は各々調べていただきたいのですが、コミケ(C95)で出たらしい「韓国人・中国人お断り」張り紙の件。
現時点で、考えているところを書いておきたいと思います。

まず、本当に張り紙があったのか?という疑問に関しては、あくまで私自身がツイッターで聞いて回った感触から、「おそらくはあったんじゃないか(でも断定はダメ)」という風に思っております。(推定無罪の原則)

少なくとも準備会は推定無罪の原則にのっとって事を進める必要があります。事実と確定するにはスタッフが複数人で確認した上でサークル主に話を聞くくらいじゃないとだめなんじゃないでしょうか。仮に何らかの処分を下すとしても経過を見守る必要があり、早急に何かを決定するのは不可能です。少なくともC95時点では、当該サークルが存在したとしても、何らかの働きかけをすることは難しいと考えます。
そして処分の是非などは別途議論する必要があるように思います。

私はこの件を何人かのツイッターフォロワーとDМなどを通じて話をしました。
「私はやらない。そういうのダサイと思う。けれど頒布対象を選ぶ自由もある思う。(嫌だけど)」といった反応が多かったように思います。

私自身はといえば、自分の頒布してるジャンルでこんな張り紙があったら嫌だなぁ。コミケにも報告すると思う。その上で準備会の回答が今回と同じものだったら、納得しないだろうな…と思いました。

ただ一方で、次のような意見も持っています。
信仰上の理由からケーキ屋がゲイのお祝いのケーキ作りを断るのは(差別には違いないが)店側にもお客を選ぶ自由がある、というものです。
そうなると究極的にはサークルが頒布対象を選ぶ自由を(嫌でも)認めなければ、整合性がとれないのでは…という風に矛盾が発生しており、大変弱っているところです。
(尤も、法律に照らしてそもそもアウトなのではとか、そもそも比較対象としてゲイケーキが適当なのかという議論はあると思いますが)


ですので私自身は、C96申込時に下記のように意見してみようと考えています。

・今回の件は(事実関係の確定はともかく)準備会としても望むところではなかったと考える。
・ただ、C95反省会時の発言は、言葉が足りな過ぎたとも感じており次のように要望したい。
・ホームページ上やコミケットアピールなどで、「コミケットとしてはこの場を特定の属性(国籍、性別等)で区切られることのない開かれた場にしていきたい。各サークルはコミケの理念を省みて、多種多様な表現物を多くの人が享受できるよう今一度考えてみて欲しい」といった感じの「方向性」を示してはどうか。

これに対しては本当にたくさんの意見があると思います。
甘いという声もあるでしょうし、サークル側の責任で行う事に対し、準備会は極力干渉すべきでないという考えもあるように思います。
サークル申込みする皆さんは申込時に各々意見をぶつけたらいい。ツイッターで@を飛ばすよりは、参考にされる可能性が高いように思います。

 


さて、ここからがこの記事の本題です。

今回の件があって(断定はできないがそれに対して反省会で回答があった事で)参加者からは様々なネガティブな反応が見られました。
コミケの往年の参加者の中からも、「対策や声明がなければもうコミケには参加しない」などの声が上がっています。

読んでいて大変心が苦しかった
この人にとっては本当に譲れない一線なんだろうな、という事が伝わってきたからです。
それを読んで、あるいは自分なりに考えて夏の参加を迷っている方もいるのではないだろうかと思います。準備会の出方次第、そう考えている人も多いでしょう。
あるいは準備会回答に批判的でありつつも、それはそれとしてコミケには参加するという方もいると思います。
そして、もしかしたら、そういう自分の態度に若干のうしろめたさを感じている方もあるかもしれないと想像します。

そういった方がもしいるならば、こう伝えたい。

貴方はコミケに参加すべきだ、と。

むしろ、差別に反対なればこそ、積極的にコミケのサークルの1スペースを取りに行くべきだと思います。
それは議会の議席をとりにいくような行為だからです。
当選が叶えば少なくとも、ああいう張り紙をするサークルが出る事を1サークル分は防げるでしょう。そして、ああいう張り紙をしていないサークルの本を買って応援しようではありませんか。

何を当たり前な、現状維持な、と思われるかもしれないですが、そういう当たり前、いつも通りを維持する事こそが現場で差別に反対するという事なのではないだろうかと私は考えます。
残念ながら、差別との戦いに終わりはありません。
差別との戦いは絶え間ない営みの中にあります。

コミケにお客様はいない」という言葉を今こそ思い出しましょう。
お客様ではなく、参加者として場を作っていく。
それがコミケを作るという事です。


こう考えたにはきっかけがあります。
「もう参加しない」「参加したくない」、そんなツイート達をエゴサーチしながら悲しみに暮れて見つめていたら、この休日、こんなツイートを見つけました。

「反ヘイト本を作ってコミケで頒布してみたい(要約)」

殺伐としたタイムラインに一筋の光が指した気がしました。
そっか、抗議する方法って一つじゃないんだな、と。
それぞれの考えなりのやり方があっていいのだと。

そして、(たとえ張り紙の是非の意見が違おうとも)頒布先の可否を属性で決めたりしない多くの人達がいつも通りやる事も大事なんじゃないかな、と思えました。


頒布先を属性で決めない。
いつも通りコミケをやる。
そしていつも通りコミケを楽しむ。
大抵のサークルが当たり前に、自然にやっている事をやり続けましょう。


ここまで読んでくださってありがとうございます。